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2018/12/05 【文化財小話】遺跡を見つける

埋蔵文化財とは
 埋蔵文化財とは土地に埋蔵されている文化財のことであり、埋蔵文化財が所在する範囲は、埋蔵文化財包蔵地と呼ばれています。全国に約46万か所、県内には約3,100か所が確認されています。包蔵地は一般的に遺跡とよばれるもので、昔の人々が生活の痕跡を残したもの(遺構)や、土器、石器など生活に使われた道具(遺物)が、地面に埋もれている範囲のことです。これらの遺跡から発見される遺構遺物は、私たちに新たな歴史の事実を示してくれることから、これからも長く保存していく必要があります。

遺跡と開発
  遺跡は長い年月の間地下にあったことによりこれまで残ってきたのですが、その範囲や内容は不明確であったり、未発見のものもあったりします。そのため土地を掘削する開発事業から埋蔵文化財を保護するには、遺跡の有無を確認する作業が必要です。
これには地表面の観察により遺跡の可能性のある範囲を選定する分布調査や、部分的に地下を掘削し、遺跡の範囲や内容を確認する試掘調査で対応し、さらに開発事業により保存できない場合は、記録として残すことを目的とした発掘調査を行います。また重要な遺跡は保存目的の発掘調査をし、その成果をもとに今後の保存活用を図ります。
このように分布調査は、緊急の開発事業に対応する事前調査として、必要不可欠なものといえます。

遺跡を見つける
 分布調査は、遺跡の範囲を示した遺跡地図(右の図)と照合しながら現地確認を行う作業です。一般的に集落は河川の氾濫など災害が少ない小高い丘の上で、南向きの日当たりがいい場所が選ばれる傾向にあります。そのほか信仰や埋葬、外敵との戦い、焼き物の生産など、目的に適した地が選ばれることもあり、思わぬところに遺跡が見つかることもあります。
データがない場合は、地形図を片手に地形の特徴や地面を観察しながら、野山を歩き回ることから始まります(踏査)。これまでの経験を活かして地形の起伏や遺跡の痕跡の有無を見極めつつ、土器などが落ちていないか地面を観察しながら歩くため、周りを見たり、下を見たり結構忙しいものです。普通の道を歩くことは少なく、田畑や雑草に覆われた原野、山の斜面など自然の中に分け入ることも多くあります。また周囲に注意を払いながら長い距離を歩くことは、集中力が必要です。
地形は当時と大きく改変されている場合もありますので、古地図や航空写真も参考にします。また以前に土器が出たという情報や、遺跡に関連する地名の存在なども重要な手懸りになります。
大変な作業ではありますが、今まで知られていなかった遺跡の痕跡(古墳など)を発見した時は、心躍る気持ちです。一方で分布調査の成果は、今後の遺跡調査の方向を大きく左右する場合がありますので、冷静な判断が必要となってきます。
このようにして遺跡の可能性のある範囲を多角的に絞り込んでいき、その後の試掘調査、発掘調査へと繋げていきます。

歩くことからスタート
 民話「花咲か爺さん」では、ポチは小判だけでなく、瓦やお茶碗のかけらなどを地下から見つけ出しました。これらはガラクタではありますが、ひとつひとつの破片は、当時の人々の生活を明らかにするものであり、新たな発見をもたらす可能性があります。そういった意味では宝の山であり、ポチは良好な遺跡をみつけたのかもしれません。ポチがいれば「ここほれワンワン」で遺跡の発見も簡単かもしれませんが、地道に分布調査を繰り返すことが遺跡発見のスタートであり、埋蔵文化財の保護の第一歩であると思われます。 (T)



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