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文化財要録コンテンツ

名称関連文化財名称紙本墨書平家物語(長門本)
要録名称紙本墨書平家物語(長門本)自一至廿 
指定関連指定区分・種類重要文化財(書跡)
指定年月日

明治39年4月14日 (内務省告示 第39号) 国宝(旧)

昭和25年8月29日 文化財保護法施行により重要文化財

所在地関連所在地下関市阿弥陀寺町4-1
所有者関連所有者宗教法人 赤間神宮


文化財詳細
制作等の年代又は時代
室町時代

員数
二〇冊

品質及び形状
紙本墨書、冊子装

参考情報関連
参考情報

 長門本平家物語は異本類の中でも最も有名であって20巻より成り、普通本に比して217項多くて、全体の量は約2倍に達し、内容的にも源平盛衰記に類似する点が多い。この意味で本書は源平盛衰記の成立するまでの過渡的な段階に位する一種特異な存在であると見ることが出来よう。但し仔細に検討すれば、この長門本が母胎となって直ちに源平盛衰記が生まれたというような単調な過程ではなく、長門本の原型となる本があって、それから長門本が派生し、一方これと兄弟の関係においてさらに詳細な源平盛衰記が完成されたと見るべきである。

 本書はもと安徳天皇の冥福を祈願するために営まれた壇之浦の阿弥陀寺に伝えられたことから、国名をとって長門本と称するのである。

 書写の年代は文明頃であって必ずしも古くないが、原本の成立はこれまでに述べた所で明らかなように、遅くも鎌倉末期を降らないものと見なければならない。昭和20年、戦災のため損傷を受けたことは惜しまれるが既に刊行、校勘もされており、また幾多研究論文の存することは幸であった。

 平家物語は平忠盛が鳥羽上皇の信任を受けて昇殿を許され、その子清盛に至って栄華一世を傾けたが、さらに嗣子宗盛の代に源氏の武威に屈し、壇之浦に平家一門の藻屑と消える次第を叙述した軍記物であって、その根底を貫ぬくものは栄枯盛衰の理を説く無常観である。平家物語の原初形態は鎌倉初期の成立にかかりもと六巻であったらしいが、琵琶を弾じて語られ、広く世にもてはやされたことから内容も増加して普通本の12巻となり、さらに進んで種々の系統の諸本を派生せしめるに至った。かくて南都本、延慶本、長門本そのほか内容の豊富な異本が幾種も現われ、遂に鎌倉末期頃には普通本の2倍半の内容を有する源平盛衰記48巻が成立した。




地図



画像
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