ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
  1. ホーム>
  2.  学習サポート>
  3.  文化財年表>
  4.  文化財の概要>
  5.  文化財要録

文化財要録コンテンツ

名称関連文化財名称木造十一面観音菩薩立像
要録名称木造十一面観音菩薩立像
指定関連指定区分・種類彫刻
指定年月日昭和60年4月16日(山口県教育委員会告示 第1号)
所在地関連所在地山陽小野田市大字山川1727番地
所有者関連所有者宗教法人 正法寺


文化財詳細
制作等の年代又は時代
鎌倉時代(建久4年ー1193)

員数
一躯

品質及び形状

【形状】

 宝髻の頂上に仏面。天冠台上の地髪部に十個の頭上面を一列に配置する。ただし、頭上に現存するものは右に三面、左に一面の四面のみで、他に脱落したものが四面保存されている。

 天冠台は花形で、やや外に張り出す。台下の地髪はまばら彫りとし鬢髪は耳朶にかかる。白毫(欠失)相をあらわす。彫眼。耳朶は鐶につくり、三道を刻む。

 右手はわずかに臂を曲げて、躰部に沿って垂らし、掌を前にして指をのばし、第1指と第3指を捻ずる。(第3指欠損)

 左手は臂をやや上方にまげて前方に出し、水瓶を執る。両手首に腕釧をつける。水瓶には未開の蓮華をさす。

 条帛を左肩から右脇下を通してかけ、左胸前で反転して垂らす。天衣を両肩を蔽って垂らし、膝前で二重にまわし、両腕の下膊部の内側から通して躰の外側に垂らす。腕外の垂下部は欠失。

 裳(二段折返し)着け、足ほぞで蓮台上に立つ。 カヤ材の一木造り。頭・躰の主幹部を足ほぞを含めて竪一材から彫出。頭部は後頭部で割矧ぎとし、内刳りを施す。躰部も背面を襟下から裾の下端まで前後に割矧ぎにする。前面材を大きく内刳りして、背面材を背板として矧ぎ付ける。

 頂上の仏面は別材ほぞ差しとし、頭上面も別材から彫出して竹ほぞで頭上にとりつける。

 両腕はそれぞれ肩で、丸ほぞで挿し込み、木釘で矧ぎつけるが、右手は指先まで一材から彫り出し、左手は臂までと、臂から手首まで、手首から先をそれぞれ別材から彫り出して矧ぎつける。

 両足先は甲の半ばから先を別材矧ぎつけとする。両腰・両裾の外側に補材を矧ぎつける。頂上仏面および頭上面の多くは後補。両足先後補。

 背板の襟下9㎝のところに、0.7㎝×3.2㎝の長方形の小穴をあける。これは光背をとりつけるためのものと思われる。

 背板中央部裾下から11㎝上のところに3.5㎝×2.0㎝の楕円形の鼠害穴、裳の右側二段折返し部の下から裾下にかけてかなり大きい鼠害がある。

 全体は虫害が及び、小さな虫穴がいたるところに見られるが、特に、足ほぞ・裾下の部分の虫害は甚しい。

 彩色は、面・頭部にわずかに施すのみで、ほとんど素木である。

 地髪は墨彩、天冠台の下部の圏線に朱彩。眼には白土をぬり、瞳を墨で描く。

 眉・眼の縁、口辺及び顎の髭を墨描。口唇は朱彩とする。ちなみに頭上面は宝髻を墨彩、面部を金泥彩とする。台座は後補。

 腰部の右側に1ヶ所、左側に1ヶ所、右前膊部、左臂外側に各1ヶ所、埋木を施している。



寸法又は法量

像高(現状)…167.0㎝

頂上~顎(現状)…31.1㎝

面長…15.9㎝

面幅…15.7㎝

面奥…22.7㎝

耳張…21.5㎝

胸奥…21.4㎝

腹奥…24.8㎝

臂張り…50.2㎝

裾張り…39.8㎝

足先開き…20.5㎝

足幅…高(右)7.0㎝ (左)9.0㎝

巾(右)2.7㎝ (左)2.5㎝

奥行(右)13.0㎝ (左)12.8㎝



銘文

 背板の内側のほとんど全面に墨書が施されているが、摩滅が著しく、判読不明の箇所が多い。




地図



画像
<木造十一面観音菩薩立像>関連画像001(オリジナル画像表示リンク)<木造十一面観音菩薩立像>関連画像002(オリジナル画像表示リンク)<木造十一面観音菩薩立像>関連画像003(オリジナル画像表示リンク)<木造十一面観音菩薩立像>関連画像004(オリジナル画像表示リンク)
<木造十一面観音菩薩立像>関連画像005(オリジナル画像表示リンク)<木造十一面観音菩薩立像>関連画像006(オリジナル画像表示リンク)<木造十一面観音菩薩立像>関連画像007(オリジナル画像表示リンク)<木造十一面観音菩薩立像>関連画像008(オリジナル画像表示リンク)
<木造十一面観音菩薩立像>関連画像009(オリジナル画像表示リンク)

ページトップへ