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文化財の概要

文化財名称

岩国のシロヘビ

文化財名称(よみがな)

いわくにのしろへび

市町

岩国市

指定


区分

記念物

一般向け説明

 岩国市周辺の限られた地域にだけ生息するヘビで、長さは180cm、ときにはそれ以上に達し、胴回りは15cm余。目はルビーのように赤く、全身は白く光沢がある。性格はおとなしく温順で人に危害を加えることはない。アオダイショウのアルビノ(白化個体)と考えられている。アルビノ自体は珍しくはないが、すぐ滅失することが普通であり、アルビノが個体群として維持されることが非常に珍しく、遺伝学的な価値が高い。
  シロヘビの起源は明確ではないが、1738年(元文3)千石原で発見されたことが岩国藩の記録に残されている。1862年(文久2)「錦川誌」によると岩国藩の米倉に住み着いているという記録がある。シロヘビは米倉にいるネズミを餌として生活していたと考えられる。米倉は、廃藩置県後、八百新という酒屋の所有となったが、店主はシロヘビを大切に保護したと言われている。シロヘビは付近の民家や石垣に住みついたと考えられる。
戦後建物の構造も変わり、餌となるネズミ等も少なくなり、その生息数は減少していた。
このため、放飼場や保護増殖施設をつくり保護活動を進めた結果、1000頭以上に回復しているが、自然下で生息しているシロヘビはほとんど見られなくなっている。

小学生向け説明

 岩国市周辺の限られた地域にだけ生息しているヘビです。全身が白色で、光沢(こうたく)があり、目はルビーのような赤色です。アオダイショウが白化したものと考えられています。白くなった動物が何代も続いて生き続けることは大変めずらしいことです。シロヘビは、長さは180cm以上にもなり、胴回り(どうまわり)は15cmをこえます。性格はおとなしく、人に危害を加えることはありません。
シロヘビがいつごろから岩国にいるかはわかりませんが、江戸時代には、米を納めた倉庫の中に住み、ネズミをえさにしていたようです。明治時代にはいってからは、米倉や石垣などのシロヘビの生息場所がだんだん少なくなり、シロヘビの数も減少しました。
 このため、現在では、飼育(しいく)場などをつくり、保護しています。飼育しているシロヘビの数は増えましたが、自然のシロヘビが見つかることはほとんどなくなっています。

文化財要録

要録名称

岩国のシロヘビ

指定区分・種類

天然記念物

指定年月日

昭和47年8月4日 (文部省告示 第122号)

所在地

一般観覧施設 1.白蛇観覧所(岩国市横山二丁目)  2.白蛇資料館(岩国市今津六丁目)

管理者

岩国市(昭和48・4・14 文化庁告示 第5号)

参考情報

(1) 大正13年12月9日(内務省告示 第777号)で指定された天然記念物「白蛇棲息地」(玖珂郡麻里布村)〔指定地域 大字今津、大字室木一円、及び大字今津より今津川の対岸川沿地〕は、昭和47年8月4日に指定解除となる。
(2) シロヘビの生息地は広島湾に注ぐ錦川のデルタである。シロヘビの長さは180cm、ときにはそれ以上にも達し、胴径約5cmで、体色は純白と黄味を帯びた白と2種類がある。シロヘビ生息地の都市化など環境の変化により生息数は大変少なくなっており、放置すれば絶滅する恐れがある。そのため人工飼育・人工繁殖等を行なっているが、技術的にも非常にむつかしい。岩国市一円

画像

岩国のシロヘビ 関連画像001

岩国のシロヘビ 関連画像002

岩国のシロヘビ 関連画像003

岩国のシロヘビ 関連画像004