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文化財の概要

文化財名称

水無瀬島のアコウ自生地帯

文化財名称(よみがな)

みなせじまのあこうじせいちたい

市町

周防大島町

指定


区分

記念物

一般向け説明

  アコウはクワ科の高木。自生地は、周防大島町沖家室島(おきかむろじま)の南南東約5km、伊予灘に浮かぶ大水無瀬島(おおみなせじま)と、その沖約2kmにある小水無瀬島(こみなせじま)の双方にある。両島とも普通の斜面のものは伐採されたものと思われ、大水無瀬島はれきがある浜に近い小さい崖に、小水無瀬島は断崖面に自生している。群生は認められない。中には、果実をつけた大きい木もあり、かなり長期間、野生を続けているものと思われる。
 アコウの原産地は沖縄、台湾などの暖地で、葉は短期間落葉する。幹は直立し、大小の枝を四方に伸ばし、幹の周囲から気根を生じる。これまで瀬戸内海にはアコウはないものとされていたが、1955年(昭和30)小水無瀬島で、続いて1956年(昭和35)大水無瀬島で確認され、これが亜熱帯性のアコウの北限産地となった。なお、1968年(昭和43)には、上関町祝島でも確認された。

小学生向け説明

  アコウは沖縄(おきなわ)、台湾(たいわん)などの暖い土地に生育する背の高い木です。この自生地は、東和町の沖に浮かぶ大水無瀬島と小水無瀬島にあります。これまで、瀬戸内海にはアコウは生育していないとされていましたが、1955年に小水無瀬島で、1956年に大水無瀬島で自生していることがわかりました。大水無瀬島では、小石のある浜に近い小さいがけに自生しています。小水無瀬島では切り立ったがけに自生しています。中には、果実をつけた大きい木もあり、かなり長い間、野生を続けているものと思われます。

文化財要録

要録名称

水無瀬島のアコウ自生地帯

指定区分・種類

天然記念物

指定年月日

昭和41年6月10日 (山口県教育委員会告示 第6号)

所在地

大島郡周防大島町大字沖家室島字沖の段及び字南水無瀬
(大水無瀬島 小水無瀬島)

所有者

管理者

周防大島町←東和町(昭和42年1月17日指定 山口県教育委員会告示 第5号)

参考情報

 アコウはクワ科の高木で葉は短期間落葉する。幹は直立し、枝はやや太く、やや平滑灰褐色で、大小の枝を四方に伸長し、幹の周囲から気根を生ずる。小枝を傷つけると白色の乳液を分泌する。葉は枝のさきにでき、長い葉柄があって互生し、革質、長楕円形あるいは狭長楕円形を呈し、微凸頭鈍端、全縁である。表裏両面ともに平滑で無毛、中肋は裏面に隆起し、側脈は細く6ないし9対あり、斜上してやや平行し、縁辺に近く彎曲する。葉柄はやや太く長い。雌雄異株で、春に枝または幹に花嚢を単生、あるいは2、3群生する。花嚢はきわめて短い柄を有し、球形で小さく白い斑点を散布し、内に淡紅色の小花を有する。雄花は雄花嚢中にあり、三つのがく片、一つの雄ずいを有する。雌花は雌花嚢中にあり、三つのがく片、一つの子房を有し、斜出した一つの花柱がある。花嚢は熱すると、淡紅色がかった白色になる。

地図

画像

水無瀬島のアコウ自生地帯 関連画像001

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