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文化財の概要

文化財名称

鉄黒漆二十二間総覆輪筋兜 萌葱糸素懸威しころ

文化財名称(よみがな)

てつくろうるしにじゅうにけんそうふくりんすじかぶと もえぎいとすがけおどししころ

市町

岩国市

指定


区分

有形文化財

時代

室町時代

一般向け説明

 鉢の高さ14.6㎝、径は前後が24.0㎝、左右が20.0㎝で、楕円形をした「阿古陀形(あこだなり)」という形式の兜。22枚の台形の鉄板に黒漆を塗り、はぎ合わせの部分を金属で覆って筋状にし、頭頂部の八幡座は5重で、篠垂(しのだれ)という細い金メッキの筋金が前に3条と後ろに2条据えられ、腰には神社等に見られるような斎垣(いがき)がめぐらされている。眉庇(まびさし)はやや前に出る伏せ眉庇で、その上に三鍬形台があり鍬形が立っている。しころ(鉢の左右から後方に垂れて首を覆うもの)は萌黄色の糸を使い、糸目を粗くして所々2筋ずつ並べて綴る素懸威となっている。室町時代に盛んに行われた特色の著しい作りで、室町時代中期以降に作られたものと思われる。

小学生向け説明

 楕円形をした「阿古陀形(あこだなり)」という形式の兜です。
 いくつもの鉄板のはぎあわせの部分を、金属でおおって筋の形にしています。
 室町時代に盛んであった特色がよく見られ、室町時代の中ごろよりあとに作られたものとおもわれます。

文化財要録

要録名称

鉄黒漆二十二間総覆輪筋兜萌葱糸素懸威しころ

指定区分・種類

工芸品

指定年月日

昭和42年7月4日(山口県教育委員会告示 第12号)

所在地

岩国市横山2丁目10番27号(岩国歴史美術館)

所有者

財団法人 岩国歴史美術館

制作等の年代又は時代

室町時代中期以降

員数

一頭

品質及び形状

〔材質〕 黒鉄漆塗
〔形式〕 阿古陀形
〔間数〕 二十二間鍍金総覆輪筋兜
〔張数〕 22枚張
〔合目〕 前正面
〔篠垂〕 鍍金小刻座に鍍金篠垂、正中三條、後中二條
〔八幡座〕 鍍金枝菊透彫円座に小刻、浪座、玉縁
〔響穴〕 4個(鍍金小刻座に鳩目)
〔四天鋲〕 4点
〔高勝環〕 鍍金高盛菊座に無地丸頭環台(環欠失)
〔三光鋲〕 鍍金丸頭鋲3点
〔眉庇〕 鍍金四囲覆輪、茶染韋、藻牡丹獅子画韋、小縁茶染韋無地、伏縫、伏眉庇
〔銘〕 鉢裏真向無銘、後中無銘
〔要害板〕 各長5.8㎝ 各幅 広1.3㎝、狭 0.9㎝
〔立物台〕 三鍬形、鍍金魚子枝菊高彫(鍬形台、祓立 台)鍬形台中央に鍍金三盛菊丸紋
〔立物〕 鍍金鍬形
〔受張〕 欠失
しころ〕 萌葱糸素懸威、3段、栗色韋包、笠しころ
〔吹返〕 3段の2段吹返、茶染韋、藻牡丹獅子画韋、小縁茶染韋無地、伏縫3色(浅葱、黄、紫)
〔据紋〕 鍍金三盛菊高彫、丸紋
〔喉輪〕 黒漆盛上本小札、中央2段紅糸威、左右各1段

寸法又は法量

兜鉢高 13.7㎝ (天辺穴~腰巻下縁  14.6㎝)
兜鉢径 前後 24.0㎝、左右 20.0㎝
頂辺穴径 前後 2.1㎝、左右 2.1㎝
腰巻副 広 吹返付際 1.8㎝、狭 吹返付際 1.8㎝

地図

画像

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