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文化財の概要

文化財名称

旧殿居郵便局局舎

文化財名称(よみがな)

きゅうとのいゆうびんきょくきょくしゃ

市町

下関市

指定


区分

有形文化財

時代

大正

一般向け説明

 下関市豊田町殿居に所在する。木造平屋建て、八角塔屋2階建て付きの建物である。主屋は基礎が花崗岩布石敷、外壁は横羽目板張り、屋根は鉄板葺である。塔屋は木造で、腰及び小壁はモルタル塗、他は横羽目板張り、屋根は八角ドーム銅板葺である。殿居郵便局は明治35年に開局したが、ときの局長河田寛は、大正10年頃から洋風建築に改築する意向をもち、地元の大工棟梁山本安一を同道して上京し、洋風建築を見学して回った。帰村後意匠を決定し、同大工に建築させた。大正12年3月の完成である。その当時の図面が残っており、それによれば敷地坪数39坪、建坪19坪とある。外観、構造とも無理なくまとめられ、地方の風土ともマッチした好小品である。

小学生向け説明

 下関市豊田町殿居にあります。木造平屋建て、八角塔屋2階建て付きの建物です。塔屋は木造で、その屋根は、銅の板で葺かれていて、八角形のドームのかたちをしています。
 殿居郵便局は明治35年に開局しました。局長であった河田寛は、大正10年頃から洋風建築に改築しようとおもいはじめ、地元の大工とともに上京し、洋風建築を見学して回り、帰ってからデザインを決め、その大工に建築させました。そしてできたのがこの建物で、大正13年3月の完成です。図面も残っています。

文化財要録

要録名称

旧殿居郵便局局舎  1棟
   附 棟札1枚 

指定区分・種類

建造物

指定年月日

昭和52年3月29日(山口県教育委員会告示 第1号)
(昭和57年1月12日 名称変更)
(追加指定 平成5年1月12日)

所在地

下関市豊田町大字殿居字中村1111番地の2

所有者

制作等の年代又は時代

指定当時は、大正13年と伝えられていたが、当棟札により局舎の建造が大正12年と判明した。

員数

一棟
(一枚)

由来及び沿革

平成3年9月27日、台風19号によって局舎の尖塔が倒壊落下して発見された。

構造及び形式

 木造平屋建て、八角塔屋2階建て付き
〈主屋〉
基礎 花崗岩布石敷、外壁 横羽目板張、大屋根 矩折れ、妻 ハーフヒップ東北隅にアーチブレース形飾りを出す、鉄板葺、和小屋三重梁束立ち
〈塔屋〉
木造、腰及び小壁 モルタル塗、他は横羽目板張、屋根 八角ドーム銅板葺、軒 デンティル、蛇腹持送り付き
〈主屋〉
事務室 拭板張 天井板張、宿直室 和室4.5畳畳敷 床の間及び長押あり、棹縁天井、他の作業室 転根太板張及びコンクリート土間 棹縁天井、窓ガラスに引違

造作

出入口西開戸
〈塔屋〉
 1階 八隅に角柱形、持送り、壁とも白漆喰塗、窓ガラス上下戸付き
 2階 白漆喰大壁、板床、窓両開戸、出入口ガラス入扉、ブレース付小庇あり殿居郵便局は明治35年に開局したが、施設狭隘なため、ときの局長河田寛は大正10年ころから洋風建築に改築する意向をもち、地元の大工棟梁(山本安一、豊田町矢田の在)を同道して上京し、洋風建築を見学して回った。帰村後、意匠を決定し、同大工に建築させた。その当時の図面が残っており、それによれば敷地坪数39坪余、建坪19坪とある。

品質及び形状

杉材の横長の長方形で、縦14.2cm、横最大74cm、厚さ0.7~1.2cm。表面につぎの墨書銘が認められる。
 起工
 大正十二年四月一日

 棟梁
  殿居村
   石光孝一

 錺工
  小月村
   原田市輔
  山口町
   河野枩治郎
  吉田村
   加藤幸助
  山口村
   吉村治夫

 上棟式
  大正十二年
  五月二十五日

 落成
 凡十月十日
        頃

  八月二十七日
          記

地図

画像

旧殿居郵便局局舎 関連画像001

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