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文化財の概要

文化財名称

円光寺古墳出土品

文化財名称(よみがな)

えんこうじこふんしゅつどひん

市町

萩市

指定


区分

有形文化財

時代

古墳時代

一般向け説明

所在地  萩市郷土博物館      
時 代  古墳時代後期(6世紀初め)

 円光寺古墳は萩市大井にあり、1929年(昭和4)JR山陰本線敷設工事に伴って発見された。直径40m前後の円墳と推定され、時期は6世紀初めである。
 竪穴式石室から出土した遺物で現存するものは次ぎの通り。
・単鳳環頭大刀柄頭3:長径約6㎝の環の中に鳳凰を配したもので類例は県内で3例のみ。
・装身具     7:勾玉4(めのう製3、碧玉製1)、碧玉製管玉1、耳環2
 とりわけ単鳳環頭大刀柄頭3点の保有者は、有力なかしら(首長)の存在を想定することができ、阿武国造につながる系統の首長と考えられる。

小学生向け説明

 萩市大井にある円光寺古墳は、1929年(昭和4)JR山陰本線敷設工事に伴って発見されました。直径40m前後の円墳と推定され、6世紀初め頃築かれたと考えられています。
 竪穴式石室から出土した遺物で現存するものは次ぎの通りです。

・単鳳環頭大刀柄頭3:長径約6㎝の環の中に鳳凰を配したもので類例は県内で3例のみ。
・装身具     7:勾玉4(めのう製3、碧玉製1)、碧玉製管玉1、耳環2

 とりわけ鳳凰 のかざりのついた大刀のつかは立派なもので、阿武地方をおさめた有力なかしらの持ち物と考えられます。 

文化財要録

要録名称

円光寺古墳出土品
 環頭大刀柄頭 
 勾玉 
 菅玉 
 耳環 
 刀装金具 
  

指定区分・種類

有形文化財(考古資料)

指定年月日

平成4年5月29日

所在地

山口県萩市大字江向525の4
(萩博物館)

所有者

萩市

制作等の年代又は時代

古墳時代後期

製作者

不明

由来及び沿革

本資料は、萩市大井字下円光寺に所在した円光寺古墳より、昭和4(1929)年、山陰本線の鉄道工事中に出土したものである。発見当時、既に封土は失われており、径30m前後の円墳であったと推定されている(第2・3参照)。現在、古墳の半分以上は鉄道線路の下になっているが、残存部に石室の石材と思われる巨石が露出している。弘津史文の第1報によれば、主体部は内法長3.6mの箱式石棺もしくは竪穴式石室と思われるが、詳細は不明である。なお、出土当時の遺物としては、本資料のほかに鉄鏃50、杯破片、大甕破片などがあったとされるが、現存しない。遺物は個人所有を経て、戦後萩市郷土博物館に寄贈されたものであり、その間に遺物の一部は散逸したものと考えられる。

品質及び形状

(別添第5図参照)
1)環頭大刀柄頭(1~3)
3個ともほぼ同法量である。環中には鳳凰を入れるが、1は口に玉をくわえ、2・3に比べて製作もやや優れている。2・3は1に比べ、やや小ぶりであり、口には玉をくわえない。いずれも金銅製であり、鍍金も一部遺存している。計測値は次の通りである。
/番号/全長/環長径/環短径/環部最大厚/
/1/8.0cm/6.2cm/4.5cm/1.0cm/
/2/6.2cm/6.0cm/4.2cm/1.6cm/
/3/6.8cm/6.0cm/4.3cm/1.1cm/
2)勾玉
4は濃緑色の碧玉製、5は琥珀色の瑪瑙製、6は灰白色の瑪瑙製、7は琥珀色の瑪瑙製である。いずれも表面は研磨されるが、6は二次的な打痕が目立ち、7は表面がやや粗い。
計測値は次の通りである。
/番号/長さ/中央部幅/厚さ/穿孔/
/4/3.6cm/1.4cm/1.4cm/片面穿孔/
/5/3.3cm/1.1cm/0.9cm/片面穿孔/
/6/3.6cm/1.0cm/1.0cm/片面穿孔/
/7/3.2cm/1.1cm/0.8cm/片面穿孔/
3)菅玉(8)
緑色の碧玉製で、長さ2.4cm、直径0.9cmである。表面は丁寧に研磨されており、保存状態も良い。片面穿孔である。
4)耳環(9・10)
一対を成すものと考えられる。ほぼ同法量(外径約3.0cm、断面径0.6~0.7cm)であるが、9がわずかに大きい。いずれも銅地銀張と考えられ、一部剥落している。9には二次的な研磨がみられる。
5)刀装金具(11・12)
幅約3.0cmの銅板を接合して断面楕円形の筒状にしたものであり、筒金具と考えられる。2点遺存するが、11は接合部の反対側に0.6cm×1.2cmの切欠きをもつ。いずれも表面に鍍金が良好に遺存する。

地図

画像

円光寺古墳出土品 関連画像001

円光寺古墳出土品 関連画像002

円光寺古墳出土品 関連画像003

円光寺古墳出土品 関連画像004

円光寺古墳出土品 関連画像005