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文化財の概要

文化財名称

糘塚横穴墓群出土品

文化財名称(よみがな)

すくもづかよこあなはかぐんしゅつどひん

市町

長門市

指定


区分

有形文化財

時代

古墳時代

一般向け説明

 糘塚古墳は長門市にあり、もと島であった丘の中腹に営まれた古墳時代終末期(6世紀末~7世紀初期)の横穴墓群である。1925年(大正14)学校建設に伴う工事により消滅した。出土した副葬品は次ぎの通り。
・土器類:須恵器坏・高坏・カメ・長頚壷・
・馬具類:銅製つぼあぶみ2対(県内唯一の出土例)・銅鈴1
・武器類:儀杖用大刀4(頭椎大刀2、圭頭大刀2)・鍔1・刀身1・刀柄1
・工具類:鉄斧2・銅針1・砥石1・銅鏡1・鉢形銅器1・貝輪1
 副葬品は種類が豊富で、畿内の同時期古墳に匹敵する質の高さが注目される。
 また、儀杖用大刀4、銅製つぼあぶみ2対などは儀礼的要素が強く、地方豪族として長門一帯の首長(かしら)にとどまらず、大和政権とのつながりの強さを示す。

小学生向け説明

 糘塚古墳は長門市にあり、もと島であった丘の中腹に営まれた古墳時代終末期(6世紀末~7世紀初期)の横穴墓群です。1925年(大正14)学校建設に伴う工事により消滅しました。出土した副葬品は次ぎの通り。

・土器類:須恵器坏・高坏・カメ・長頚壷・
・馬具類:銅製つぼあぶみ2対(県内唯一の出土例)・銅鈴1
・武器類:儀杖用大刀4(頭椎大刀2、圭頭大刀2)・鍔1・刀身1・刀柄1
・工具類:鉄斧2・銅針1・砥石1・銅鏡1・鉢形銅器1・貝輪1

 副葬品は種類が豊富で、畿内の同時期古墳に匹敵する質の高さが注目されるものです。

文化財要録

要録名称

糘塚横穴墓群出土品
 壺鐙 
 頭椎大刀柄頭 
 鐔 
 縁金具 
 鵐目金具 

指定区分・種類

有形文化財(考古資料)

指定年月日

平成6年1月25日

所在地

山口県長門市東深川1326番地の6
(長門市中央公民館)

所有者

長門市

制作等の年代又は時代

古墳時代終末期

製作者

不明

由来及び沿革

本資料は、長門市大字東深川字田屋に所在した糘塚古墳群より、大正14年(1925)、大津中学校(現大津高等学校)建設に伴う採土工事によって出土したものである。糘塚古墳群は、標高約72mの独立丘陵の南側丘腹に営まれた横穴墓郡であり、当時14基の横穴墓が4段にわたって構築されていたと伝えられる。個々の横穴墓は、羨道部約0.6m、奥行約2.4m前後、天井の高さ約1.2mほどの単室構造で、羨道入口は扁平な石材で閉塞されていたという。当時出土した遺物としては、銅製壺鐙4、銅製鈴1、金銅製頭椎大刀2、金銅製圭頭大刀1、鉄斧2、素文鏡1、鉢形銅片1、銅針1、貝輪1、砥石1、須恵器多数、人骨などがあったと報告されている。個々の出土状況については詳細不明である。これらの出土遺物は散逸したものもあるが、壺鐙2、銅製鈴1、頭椎大刀柄頭1、圭頭大刀柄頭1、銅器片1、貝輪1、砥石1などは、昭和3年(1928)以前に東京国立博物館に所蔵されている。さらに今日までに、壺鐙1、頭椎大刀柄頭1、刀装金具類等が地元に伝えられている。

品質及び形状

(別添第2図参照)
1)壺鐙(第2図1)
 銅製。高さ18.1cm、幅10.9cm、奥行15cm、厚さ0.2cm。杓子形の壺部を呈し、先端は丸みを帯び、上面から全面に稜が走る。沓込みは深く、舌の出は比較的短い。下底はやや上彎する。頭頂の吊手は壺口と直交して、鐙靼受けの方孔をもつ。壺口の外縁は帯状に肥厚し、舌の外縁も細く肥厚する。全体的にやや歪んでおり、壺口に裂け目、壺側面に欠損孔が認められるが、遺存状態は総じて良好である。
2)頭椎大刀柄頭(第2図2)
 金銅製。一部を欠損しており、残存部長径7.4cm、短径5.5cm、厚さ0.1cm。中空の柄頭金具の片側に相当する。無畦目式で、中央に懸通孔をもち、鵐目金具をとどめる。表面の一部に鍍金の痕跡が認められる。
3)、鐔(第2図3)
 金銅製。下端を欠失しており、残存部長径6.3cm、短径6.5cm、厚さ0.1cm。一部に鍍金をとどめる。倒卵形を呈し、6窓を有する。内孔の長径2.8cm、短径1.8cm。
4)縁金具(第2図4)
 金銅製。長径4.2cmで、身幅0.5cm、厚さ0.2cm。中央で折れ曲がり、下端が切り離れている。ごく一部に鍍金が残る。
5)鵐目金具(第2図5)
 金銅製。長さ1.6cm、頭部最大径0.9cm、口径0.6cm。一端に頭部を作りだした円筒形を呈し、筒側面に接合痕が認められる。頭部に鍍金をとどめる。

地図

画像

糘塚横穴墓群出土品 関連画像001