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文化財の概要

文化財名称

牛島のモクゲンジ群生地

文化財名称(よみがな)

うしまのもくげんじぐんせいち

市町

光市

指定


区分

記念物

一般向け説明

  モクゲンジは、ムクロジ科の落葉亜高木。群生地の牛島は光市室積港から連絡船で20分ばかりの離島。この島の周防灘に面した南斜面を中心にモクゲンジが分布している。牛島のモクゲンジ群落は、1935年(昭和10)に日本で初めて発見された。現在は全島で約3500本程度が大群落をなしており、植物分布のうえから極めて重要である。群生地として島の北部の中崎付近の崖約154,149㎡が、群生地として天然記念物に指定されている。多くは根で増え、伸びた根から発芽して成木となるので、ほとんどの成木は根でつながっている。開花時期は七月七日の前後三日間ぐらいで、花は黄色、花序は大きく美しい。
 モクゲンジは、中国、朝鮮半島に自生する。日本では、牛島のほかに、光市の峨嵋山や、秋田県、宮城県、福井県などでも確認されており、いずれも断崖に生育している。
 日本へは元禄年間(1688~1704)に渡来したといわれ、各地の寺院で栽培された。

小学生向け説明

  モクゲンジは落葉小高木(冬に葉を落とす背の少し高木)。牛島(うしま)は光市のおきのはなれ島です。モクゲンジは島のしゃ面に生育していて、1935年に日本で初めて発見されました。現在、島全体に約3500本程度が生育していますが、島の北がわの中崎ふきんのがけ約154,149㎡が天然記念物に指定されています。
 モクゲンジはのびた根から芽をのばして大きくなるので、多くの木は根でつながっています。花は黄色で美しく、開花時期は7月7日の前後3日間位です。
 モクゲンジは、中国、朝鮮(ちょうせん)半島に自生しており、日本へは1700年ごろ渡ってきたといわれています。

文化財要録

要録名称

牛島のモクゲンジ群生地

指定区分・種類

天然記念物(植物)

指定年月日

平成10年4月14日

所在地

光市大字牛島字開附一八六
光市大字牛島字越和田一七八
光市大字牛島字先越和田一八〇
光市大字牛島字先越和田四一〇
光市大字牛島字先越和田四一三
光市大字牛島字先越和田四一四及び字名郷佐一〇八六
光市大字牛島字先越和田四一五
光市大字牛島字中原二一〇
光市大字牛島字中原二一六、字平茂二九九及び字大多里一〇二三
光市大字牛島字榎畑二三七の一
光市大字牛島字先怱津三一四
光市大字牛島字先怱津一二〇〇
光市大字牛島字先怱津一二〇三
光市大字牛島字阿古美三一〇の一
光市大字牛島字阿古美五〇八
光市大字牛島字平茂一の一
光市大字牛島字平茂三八八
光市大字牛島字怱津一一五一
光市大字牛島字怱津一一五五
光市大字牛島字尾谷郷佐一一一七
光市大字牛島字尾谷郷佐一一一八並びに字黒竹一〇六五及び一〇七〇
光市大字牛島字黒竹三五三及び一〇七三
光市大字牛島字黒竹一〇五六
光市大字牛島字名郷佐三五一
光市大字牛島字水谷一〇四八
光市大字牛島字川野一〇一一
光市大字牛島字捨濱三七九
光市大字牛島字捨濱四七六
光市大字牛島字捨濱九八七
光市大字牛島字捨濱九九〇
光市大字牛島字立丁津九八一
光市大字牛島字月ノ浦九四六
光市大字牛島字盛三三の一
光市大字牛島字盛七九九

所有者

由来及び沿革

昭和10年7月 東京大学中井猛之進、前川文夫の両氏が、牛島でモクゲンジを日本で初めて発見。
昭和58年7月 山口県光市文化財保護審議会が、牛島のモクゲンジを調査。大群生が確認される。
平成元年3月 牛島のモクゲンジ群生地(字越和田178番及び字先越和田180番地に自生)が山口県自然記念物に指定される。
平成元年7月 光市文化財審議会委員南敦氏がモクゲンジ調査を実施。
平成2年7月 光市文化財審議会委員南敦氏がモクゲンジ調査を実施。
平成3年3月 牛島中崎の藤内、牧山両氏所有のモクゲンジが「ひかりの名木・珍木」に選定される。
平成5年5月 牛島のモクゲンジ群生地(字開附186番地ほか35筆)が光市の文化財(天然記念物)に指定される。

参考情報

(1)他の法令による規制等
○平成5年11月1日、国指定天然記念物カラスバトの保護のため、牛島周辺が銃猟禁止区域に指定された。
(2)牛島の注目すべき動・植物
○国指定天然記念物カラスバトが生息
 平成2年9月に牛島で発見され、その後の調査で数十羽の生息が確認されている。瀬戸内海の島嶼部では初めてである。
○クサフグの産卵地
 牛島小・中学校付近で、6月中下旬に多数の産卵が見られる。
○野生化したウサギ
 平成2年頃から見られるようになったと言われる。平成9年5月に24羽が確認されている。
○イブキビャクシンとタブノキ
 平成3年、「ひかり名木百選」に選定された巨木がある。
○ヒトツバハギ群生地
 県下で唯一の群生地である。全国的にも稀なもので、牛島小・中学校から三浦に至る海岸及び月ノ浦の高所に群生する。
○ウバメガシ群生地
 ウバメガシは、橘町と東和町に多く、県の自然記念物になっているが、室津半島以西には少ない。牛島では北部に多く、特に牛島小・中学校から三浦に至る海岸の高所に大群生地がある。
○シュロの群生地
 未調査であるが、羽山の南側に数十本が確認されている。
○マテバシイ群生地
 南側の海岸上方に30本以上の成木からなる大群落が確認されている。
○フウトウカズラ群生地
 南方系の植物で牛島小・中学校から三浦に至る海岸の高所に群生している。

地図

画像

牛島のモクゲンジ群生地 関連画像001

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