漆塗足付盤
うるしぬりあしつきばん
山口市
県
有形文化財
室町時代
1478年(文明10)、大内氏の氏寺である興隆寺に施入された漆器。
供具、飲食器として用いられたものとおもわれる。
縦37㎝、横40㎝、高さ20㎝。
室町時代の1478年につくられた漆器です。
供具、または飲食器としてつかわれていたとおもわれます。
漆塗足付盤
(有形文化財)工芸品
文明10年(1478)寄進
不明
「高さ七寸横幅壱尺弐寸縦幅壱尺の深さ四分にて内側は朱塗外側は黒塗なり裏面に朱書の銘文が入っているがその色合その形に尋常ならぬところがある
銘文 文明十年□□□□奉寄附氷上山 巌講御□盤一口施入権小僧都宥淳
さて施主宥淳とは如何なる人かといふに山口市外大内村御堀に在って大内氏の盛時にはその累代の祈願所として繁栄を極めた氷上山興隆寺の数百にあまる寺坊の一つ宝浄坊をあづかっていた人で現在県立図書館にある法華経版木の銘文に『氷上山妙法蓮華経版木文明十四年壬寅五月願主宥淳』とある通り版木の施主と同一人で又同じく所蔵氷上山の多々良亀童丸大内義興上宮参目録のうちに宝浄坊権小僧都宥淳の名が見られる全部同一人であることは疑ふ余地がなく全くこの盤器は大内塗の大宗家とでもいふべきこの種の遺物は稀れに見るものである」
四角を入角形にした折敷に、四脚が付いた盤である。
木製(材質は不明)で、表面全体に黒漆を塗り、盤面に朱漆を塗る。
天板の縦に割れ目が走るが、補修された跡が明瞭である。
法量は、縦37.0㎝、横40.0㎝、高さ21.0㎝。
天板裏面の中央部に、3行にわたる次の朱書銘がある。
「 文明十年□月三日
奉寄附氷上山 厳講御□盤一□
施入権少僧都宥淳」
◎「氷上山」は、大内氏の氏寺・興隆寺の山号
◎宥淳に関わる周知の文化財 ①国指定重要文化財「大内版法華経板木」59枚(文明14年)…「願主宥淳」
平成10年6月30日指定 ②山口県指定有形文化財「木造扁額『氷上山』」1面(文明18年)…「宝浄坊住持権少僧都宥淳」
平成10年12月4日指定
(1)昭和13年(1938)「 漆四脚盤」の名称で重要美術品の認定
(2)最近の展覧会出陳例
①山口市歴史民俗資料館開館7周年記念特別展
「漆の工芸品展」昭和63年4月20日~5月22日
②山口県立美術館開館10周年記念特別展
「室町文化のなかにみる・大内文化の遺宝展」平成元年8月6日~9月17日(出陳名称は「朱漆四脚盤」)
③山口市歴史民俗資料館・大内義隆450回忌記念展
「大内資料展」平成12年9月2日~10月1日
(3)県下の漆器の指定文化財(国・県)
①松藤蒔絵文台硯箱1具 (室町時代) 防府市・防府天満宮 昭和55年6月6日国指定
②四天王図鎗金扉 平江管勝造の黒漆銘がある 2枚 (中国・元代)山口市・龍蔵寺 平成2年6月29日国指定
③漆絵枝菊椀(大内椀) 5組 (室町時代) 防府市・防府毛利報公会 昭和59年4月10日県指定
④金梨子地菊桐紋散雲蒔絵鞍・鐙 1具 (安土・桃山時代)
周南市 平成2年3月30日県指定
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