観察院五輪塔
かんさついんごりんとう
下関市
県
有形文化財
鎌倉時代
下関市富任町観察院境内に所在する6基からなる五輪塔群。五輪塔は平安時代後半以降、本尊供養、追善供養等の作善(さぜん)や墓標として造立された供養塔の一つ。
本五輪塔群のうちの1基には地輪に「永仁二年十月日敬白」(1294年)の紀年銘が刻まれており、建長4年(1252)、長門守護代として鎌倉から下向し、この地に居を構えた三井宮内左衛門資平以後、三井一族の累代供養施設と想定されている。
山口県内において紀年銘を有し、造立時期が特定しうる最古級の五輪塔として中世史及び文化史・宗教史上貴重であり、かつ造塔者との関係が想定できる希有な歴史資料として重要である。
下関市富任町(とみとうちょう)観察院境内にある6つの五輪塔。五輪塔は平安時代後半以降、本尊(寺でもっとも大切な仏像)への供養(お供えすること)や、死者の幸福を祈っての供養として、または墓としてつくられた塔のひとつです。
この五輪塔のうちの1つには地輪(ちりん。一番下の四角の部分)に「永仁二年十月日敬白」(1294年)と刻まれており、1252年、長門守護代として鎌倉からやってきて、この近くに住まいを建てた三井(みい)一族の代々の供養施設とみられています。
山口県内で、つくられた年がわかる最も古い五輪塔として歴史上貴重です。また、つくった人との関係が考えられるとてもめずらしい歴史資料としても重要です。
観察院五輪塔付自然石板碑
有形文化財(建造物)
平成23年12月13日
平成24年4月3日 付指定
下関市富任町8丁目419
観察院
鎌倉時代後期~南北朝時代
「付 自然石板碑(つけたり しぜんせきいたび)」について
〔概要〕
下関市冨任町観察院境内に所在する観察院五輪塔と同じ墓域に所在する自然石板碑。
上方の一面に、密教でいう修行の段階に応じた、修行の志を固める発心門、修行を行う修行門、悟りを開く菩提門、悟りの境界に入る涅槃門の四門のうち、菩提門を表す「ケン カン ラン バン アン」の五つの梵字を縦一列に刻み、その下に蓮華を描く。蓮華の下には「為紹法」「右意」「天文七(十か?)の3行を刻む。
修行の段階に応じて観察院に奉納された板碑と考えられる。残存長89cmで、下半部を欠損する。砂岩製。
「観察院五輪塔」とともに山口県における中世密教信仰を知る上で中世史及び文化史・宗教史上重要である。
〔年代・時代〕
室町時代後期(天文年間)
〔員数〕
1基
〔参考〕
本件は観察院五輪塔とともに、下関市指定文化財として平成4年5月14日指定を受けていた。
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