吉田松陰関係資料(吉田家伝来)
よしだしょういんかんけいしりょう(よしだけでんらい)
山口市
県
有形文化財
江戸時代
幕末期の思想家であり、松下村塾を主宰し多くの人材を育てた教育者としても著名な吉田松陰に関する資料のうち、松陰が家督を継いだ吉田家に伝来したもの。松陰の家督相続から生涯を終えるまでの資料が、時期的に偏ることなく含まれており、松陰の行動、思想を知る上で、基本となる貴重な資料である。
資料は文書(741点)、肖像画(1点)、所用品(12点)に大別される。
資料の大部分を占める文書は、内容から松陰個人に関わるものと、吉田家に関わるものに大別される。
松陰個人に関わる文書は、松陰の実兄である杉梅太郎をはじめとする親兄弟や、高杉晋作、久坂玄瑞、僧月性等の門弟・友人等から松陰に宛てて出された書状、松陰が江戸へ遊学した際の日記や「松下村塾記」「野山獄記」を含む著作物など、天保6年(1835年)から安政6年(1859年)10月に処刑されるまでの松陰の活動に関わる文書を中心とし、没後、明治22年(1889年)に松陰が正四位を贈られた際の文書なども含まれる。
吉田家に関わるものには、吉田家が萩藩の兵学師範を務めたことに関わって遺された文書や、吉田家の家督相続に関わるものが含まれる。
肖像画は、「絹本着色吉田松陰像(自賛)」1点。安政6年(1859年)5月、松陰が萩から江戸へ送られる直前、門弟の松浦松洞(しょうどう)が描いた松陰の肖像に、松陰自身が賛を入れたものである。
所用品は、松陰が使用した印顆及びその印影、吉田家蔵書印、松陰と親交の深かった勤王僧宇都宮黙霖(うつのみやもくりん)から松陰へ贈られた鏡からなる。
幕末に、松下村塾で中心となって、多くの人材を育てた教育者として有名な吉田松陰に関する資料のうち、松陰が家を継いだ吉田家に伝わったもの。松陰が吉田家を継いでから一生を終えるまでの資料が含まれており、松陰の行動や考えを知る上で、基本となる貴重な資料です。
資料は文書(741点)、肖像画(1点)、松陰が使っていた品(12点)に分けられます。
資料の大部分を占める文書は、松陰個人に関わるものと、吉田家に関わるものとがあります。
松陰個人に関わる文書は、松陰の兄・杉梅太郎などの親兄弟や、高杉晋作、久坂玄瑞(くさかげんずい)、僧・月性(げっしょう)などの弟子・友人などから、松陰に出された手紙、松陰が江戸へ遊学した時の日記や、「松下村塾記」「野山獄記」など松陰が書いた書物など、1835年から1859年10月に処刑されるまでの松陰の活動に関わる文書を中心とし、死後、1889年に松陰が正四位(立派な働きをたたえるため、国があたえる位の一つ)を贈られた時の文書もあります。
吉田家に関わるものには、吉田家が萩藩の兵学の師範(先生)をつとめたことに関わる文書や、吉田家の相続に関わるものがあります。
肖像画は、「絹本着色吉田松陰像(自賛)」1点。1859年5月、松陰が萩から江戸へ送られる直前、弟子の松浦松洞(しょうどう)が描いた松陰の肖像に、松陰自身が賛(その絵に関する詩や文章を書きそえたもの)を入れたものです。
松陰が使っていた品には、印判とそれを押したもの、吉田家が持っている書物に押した印、松陰と親しかった勤王(天皇への忠義があついこと)僧・宇都宮黙霖(うつのみやもくりん)から松陰へ贈られた鏡があります。
吉田松陰関係資料(吉田家伝来)
歴史資料
平成21年11月17日
山口市後河原150の1 山口県文書館
山口県
元禄12年(1699年)~大正10年(1921年)
754点
昭和29年(1954年)4月、吉田家から山口県へ寄贈。当初、県立山口図書館に収蔵、のち昭和34年(1959年)の山口県文書館設立に伴い、同館へ移管され現在に至る。
(1)整理の履歴
当資料は、①明治末期の吉田庫三(くらぞう)(松陰から3代後の吉田家当主)による整理、②昭和3~8年にかけて『吉田松陰全集』編纂に関わった広瀬豊により実施された整理、③昭和29年 (1954年)4月、
山口県への寄贈後に県立山口図書館により実施された整理という3度の整理を経ている。
また平成17年(2005年)度に山口県文書館が調査を実施し、『山口県文書館蔵 吉田松陰関係資料目録』を刊行している。
(2)修理の履歴
吉田庫三により、明治末から大正10年(1921年)にかけて、少しずつ簡易な修理、文書の軸装が進められていることが資料の注記から確認できる。
また、平成19年(2007年)度、山口県文書館において「絹本着色吉田松陰像(自賛)」、「松下村塾記」、「吉田松陰絶筆並びに吉田松陰書状」について、保存修理が実施されている。
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