刀〈金象嵌銘天正十三十二月日江本阿弥磨上之(花押)/所持稲葉勘右衛門尉(名物稲葉江)〉
かたな〈きんぞうがんめいてんしょうじゅうさんじゅうにがつひごうほんあみすりあげこれ(かおう)〉
岩国市
国
国宝
南北朝時代
越中国(現在の富山県)松倉郷の住人義弘が製作した刀。義弘には有銘の作がないが、古来正宗の弟子と伝えられている。所持者稲葉勘右衛門尉の名にちなんで、稲葉江と名付けられた。稲葉江の江は、「郷」の字をくずした草書体からきている。両字ともゴウと読むので、「江」の字が代わって用いられた。指裏に、本阿弥光徳が天正13年(1585)12月に、江の義弘の太刀を磨り上げたものであり、稲葉勘右衛門尉の所持品である旨を金象嵌で記している。
南北朝時代(14世紀後半)、越中国(現在の富山県)の郷義弘が作った太刀。所持していた稲葉勘右衛門尉の名にちなんで、稲葉江と名付けられた。江は郷の字をくずしたもの。1585年に太刀を短くして現在の刀の長さとなった。
刀〈金象嵌銘天正十三十二月日江本阿弥磨上之(花押)/所持稲葉勘右衛門尉(名物稲葉江)〉
有形文化財(工芸品)
昭和26年6月9日
岩国市
公益財団法人岩国美術館
南北朝時代
1口
郷義弘
鎬造、庵棟、身幅あり、重ね厚く、鋒延びた姿。鍛えは小板目肌よくつみ、地沸く細かに厚く、刃文は小湾れに互の目交じり、足入り、匂深く小沸よくつき、所々に砂流しほつれごころあり。総体に焼幅広く、物打より上は特に焼刃深く大模様に乱れる。帽子はほとんど一枚となり、表裏に横手の線から著しく先が下がって肩の怒った力強い棒樋を掻流す。大磨上の茎に金象嵌銘がある。
刃長70.9㎝、反り2.0㎝、元幅2.9㎝、先幅1.9㎝、鋒長4.2㎝
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