今八幡宮楼門
いまはちまんぐうろうもん
山口市
国
重要文化財
室町時代
山口市八幡馬場の今八幡宮境内に建つ。形式としては一間一戸楼門、屋根は入母屋造りで、正面に向拝がつき左右に翼廊(よくろう)がある。向拝と左右翼廊を合わした桁行は14.09m、梁間は3.91m、二階は桁行三間、梁間二間で、こけら葺である。下層は左右翼廊とも床が張ってある。そのため楼門といっても土足で歩くことはできない。それでこの楼門が一般参詣者の拝殿ともなっていて、楼拝殿(ろうはいでん)と呼んだりしている。山口市を中心にこの形式の神社は多く見られる。とくに八幡宮に多いのは、この今八幡宮の社殿を踏襲したためであろう。下層は四方吹放しであるが、上層は正面と背面には中央部に扉、その両側に輪宝(りんぽう)をつけた連子窓、両側面には大内菱をつけた連子窓がある。楼門も本殿、拝殿と同様、その手法は雄建で、各所に雅致ある装飾が用いられている。建造年代も本殿拝殿と同じで、室町時代中期、15世紀末頃であると見てよい。
山口市にある今八幡宮の境内にあります。正面に向拝がついています。特徴的な形式としては、左右に翼廊(よくろう)があり、ともに床が張ってあることです。そのため楼門といっても土足で歩くことはできず、それでこの楼門がお参りする人の拝殿ともなっていて、楼拝殿(ろうはいでん)と呼ばれています。山口市を中心にこの形式の神社は多く見られます。とくに八幡宮に多いのは、この今八幡宮の社殿の形式をまねたためであるとおもわれます。この楼門の二階の側面には大内菱をつけた連子窓がありますが、下からは見えにくいのが残念です。建てられた年代も本殿拝殿と同じで、室町時代中期、15世紀末頃とおもわれます。
今八幡宮楼門 1棟
附 絵馬1枚
重要文化財(建造物)
明治40年5月27日 (内務省告示 第63号) 特別保護建造物
山口市八幡馬場 今八幡宮境内
今八幡宮
室町時代(文亀3年・1503年)
一棟
一間一戸楼門(二階は桁行三間、梁間二間)左右翼廊(各桁行二間、梁間二間)及正面向拝(桁行一間)付、屋根桜門、入母屋造、翼廊、切妻造、向拝、片流、各柿葺、石製基壇上に建つ。
〔楼門〕一階、円柱、礎盤付、腰樌頭樌、台輪、斗三斗組、間小壁嵌板張、内部拭板敷、組入天井、二階円柱、地長押、腰長押台輪、斗出組、間小壁嵌板張、二軒本繁捶、布裏甲、和様隅木、妻扠首、組妻壁嵌板張、破風、猪目懸魚棟は箱棟、鬼板付、正背面各中央間、下半長押、幣軸板扉、長押木製六葉付、同両脇間、盲連子窓内、輪宝形透彫彫刻、両側面各間共、盲連子、窓内大内菱彫刻周囲廻縁、其上隅、擬宝珠付高欄、縁桁隠板、剣巴文刻。
〔向拝〕粽付円柱、礎盤付、正面頭樌、両端木鼻、向拝柱上、斗平三斗、梁前綾拳鼻、中備本蟇股(無彫刻)、軒二軒本繁捶、布裏甲、縋破風、行隠。
〔左右翼廊〕桁行二間、梁間二間、切妻造、楼門取付屋根、反り屋根、柿葺、石造基壇、礎石自然石、円柱地覆、腰樌、飛樌、内法樌、柱上肘木付、桁梁、折置構、腰樌、下横板張、飛樌、下竪板目板打、化粧、横桟付、内法樌上、横板張、妻飾、豕扠首、棟下大斗肘木、内部化粧、屋根裏、構造、妻飾に同、床拭板敷、裏側外の間、腰無、軒下軒、捶無反、反破風懸魚付、屋根、箱棟、鬼板付。
〔規模〕
桁行柱真々(左右共) 16尺8寸(5.09m)
梁間柱真々 12尺9寸(3.91m)
建坪 (左右共) 12坪 (39.6㎡)
管理記録、保存修理、防災施設は本殿に同じ
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