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文化財の概要

文化財名称

出雲神社ツルマンリョウ自生地

文化財名称(よみがな)

いずもじんじゃつるまんりょうじせいち

市町

山口市

指定


区分

記念物

一般向け説明

  ツルマンリョウはヤブコウジ科の常緑小低木。出雲神社は山口市徳地堀の西南方約 2.5kmにある。周防二の宮ともいわれる古社で、周りの森はコジイを主とするうっそうとした森林をなしている。林内にはイチイガシの大木のほか、タカサゴキジノオ、ナガバジュズネノキ、ルリミノキなど珍しい植物がある。社殿の西の小高い丘の北側の急斜面に数か所ツルマンリョウ(ツルアカミノキ)の小群落がある。
 ツルマンリョウの枝は地をはって伸び、枝の先端は60~80cmの高さに直立する。雌株と雄株の別があり、七月上旬に開花し、翌年五月から子房がふくらみはじめ、九月に紅色に熟す。自生地の環境条件は、適度の日照と花こう岩系の土壌に限られているようである。
 南方系の植物で、九州の屋久島や台湾には産するが、本土では珍しく、この地のほかに奈良県と宇部市に自生している。本地は自生の北限として貴重である。

小学生向け説明

  ツルマンリョウは常緑小低木(一年を通して緑の葉をつけている背の低い木)です。出雲神社は山口市徳地にある古い神社で、神社のまわりの森はうっそうとしげっています。ツルマンリョウは小高い丘の北がわに生育しています。ツルマンリョウの枝は地をはってのび、枝の先は直立して高さ60~80cmになります。雌株(めかぶ)と雄株(おかぶ)とあり、七月に花が咲き、次の年に実をつけ、九月に紅色に熟します。暖かいところに生育する植物で、九州の屋久島(やくしま)や台湾(たいわん)には生育していますが、本土ではめずらしく、この地のほかに奈良県と宇部市に自生しているだけです。

文化財要録

要録名称

出雲神社ツルマンリョウ自生地

指定区分・種類

天然記念物

指定年月日

昭和32年2月22日 (文化財保護委員会告示 第15号)

所在地

山口市徳地堀字日平1400番

所有者

宗教法人 出雲神社

管理者

山口市←徳地町(昭和32・2・22)

参考情報

 ツルマンリョウはヤブコウジ科の常緑小低木で、匍伏枝を有する。中国、台湾などに産するが、我が国はその自生北限にあたる。国指定は奈良県吉野郡東吉野村の「丹生川上中社のツルマンリョウ自生地」と出雲神社ツルマンリョウ自生地の二件である。
 出雲神社は延喜式内社で、もと出雲両所大明神といい、当地方屈指の古社である。尊崇が厚かったので、その社叢はみだりに斧を入れられず原生に近い状態で保存されている。コジイ群叢で、これにサカキ、クロバイ、アカメモチ、シイモチ、などを混じえている。この社叢にツルマンリョウの自生が見られるが、附近の地質を構成する花崗岩は、県指定天然記念物「熊野神社のツルマンリョウ自生地」にも当てはまるので、ツルマンリョウには適度の日照と花崗岩系の土壌とが必要条件のようである。

地図

画像

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