指月山
しづきやま
萩市
国
記念物
萩三角州の北西端ある標高143mの花こう岩からなる小さな丘である。長く城内として保護されてきた結果、推定樹齢600年以上の巨木老樹が多数ある。森林はスダジイ林で、高木層にタブノキ、カゴノキ、イスノキが混生し、暖温帯の原生林の様相を示している。林内には、暖かい対馬海流の影響を受け、熱帯や亜熱帯に多いサザンカ、オガタマノキ、カカツガユが自生している。サザンカは指月山が分布の北限であり、カカツガユは熱帯アジアから東アフリカにも産する。
動物では、熱帯アジアから日本の暖温帯まで分布するミカドアゲハの中国地方唯一の生息地となっている。このチョウは元来個体数が少なく、オガタマノキに卵を産み、幼虫はこの葉を食べて成長する。当地がオガタマノキの自生北限のため、ミカドアゲハの北限も自然に決まる。これら動植物のつながりを残す指月山は学術的にまことに貴重である。
萩市にある標高 143mの小さな丘です。ながく萩城の城内として保護されたため、樹齢(じゅれい=きのねんれい)約600年以上の巨木がたくさんあります。この森は、スダジイが多く、タブノキ、カゴノキ、イスノキなどの高い木がまじっています。そのほか、林のなかには、暖かい対馬海流(つしまかいりゅう)がちかくの海をながれているため、熱帯や亜熱帯に多いサザンカ、オガタマノキ、カカツガユなどが自生しています。動物では、熱帯アジアから日本の暖温帯まで分布するミカドアゲハが、中国地方でここにだけに生息しています。
指月山
天然記念物
昭和46年3月16日 (文部省告示 第80号)
萩市大字堀内字旧城1番の1
萩市
萩市(昭和46・3・16)
指月山は慶長13年(1608)に毛利氏居城が山麓に完成し、頂上に詰丸が設けられた。指月山林は城内として保護されたため、巨樹の樹令は600年を越えるものがあり、樹叢はその形状とあいまって、美しい景観を保っている。
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