絹本著色十二天曼荼羅図 (寺伝安鎮曼荼羅)
けんぽんちゃくしょくじゅうにてんまんだらず(じでんあんちんまんだら)
下関市
国
重要文化財
鎌倉時代
下関市東南部町の国分寺に所蔵されている。掛幅装で縦172.7cm、横130.3cmの大幅である。
真言密教では不動明王を本尊とする修法が盛んに行われた。本図は、そのうちでも国家の安鎮、悪疫流行の防止などを祈るための修法の際にかけられた曼荼羅である。修法が盛んに行われた時代に数多くあったと考えられるが、現存するものとしては全国で唯一のものである。
この十二天曼荼羅図は、中央に大きく四臂不動明王を配し、すぐ外院に十二天を廻らしていて、さらにその周囲にいろいろの仏像を描いている。彩色が美しく、しかも不動の膝をはじめ処々に切金(きりがね)が施されている。その切金文様の様式や、不動の光背の火炎が形式化していることなどから判断して、この図は鎌倉時代の製作と見るべきであろう。
下関市の国分寺にあります。寸法は、たて173cm、横130cmです。
曼荼羅図の中央にみえるのは、不動明王です。そのまわりに十二天がいます。国家の安鎮(あんちん)、悪疫(あくえき)流行の防止などを祈るときに使われたものです。
曼荼羅図とは、おおくの仏を、一定の方式にもとづいて並べて描いたものです。
この図は、鎌倉時代に描かれたものと考えられています。
絹本著色十二天曼荼羅図 (寺伝安鎮曼荼羅)
重要文化財(絵画)
明治37年2月18日 (内務省告示 第10号) 国宝(旧)
昭和25年8月29日 文化財保護法施行により重要文化財
下関市東南部町18の3
宗教法人 国分寺
鎌倉時代
一幅
絹本著色、掛幅装
縦172.7cm 横130.3cm
彩色美しく、しかも不動の膝をはじめ、処々に切金が施されているが、その切金文様の様式や、不動の光背が火焔のもえたつような凄味のあるものでなくて、形式化した点から考えて、鎌倉時代の製作と見倣すべきものである。
切金は截金とも書き金銀の箔を細く切って文様をおく方法で、藤原時代に最も盛んに行われ、この時代のは優美で曲線的なものが多いが鎌倉時代になると、直線的となっている。
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