絹本淡彩中峰明本像
けんぽんたんさいちゅうほうみんぽんぞう
山口市
県
有形文化財
鎌倉時代
山口市水の上の洞春寺所蔵である。掛幅装で寸法は縦102cm、横52cm。
衣をまとった明本の半身像が描かれている。顔や唇に淡彩を使っている。墨染の衣の端を右手先でつまむ。宋画独特のきびしい筆使いで、細密の毛描きに見るべきものがある。上部に明本自筆の賛があり貴重である。書体は竹葉体と称する明本独特の筆法である。絹は唐絹であるので、彼の地で書かれたものと思われる。
明本は中国元の禅僧。1262年の出生。長じて諸経を閲読し学修につとめた。天目山の玄妙について具足戒をうけ心印を伝えられた。元の仁宗に召されたが応ぜず、金襴の袈裟を(けさ)を賜わり、仁慈円照広慧禅師の号を受けた。我が入元僧のうち師事するものも多かった。
山口市の洞春寺(とうしゅんじ)にあります。
寸法はたて102cm、横52cmです。
衣をまとった明本の半身像が描かれています。中国で描かれたものとおもわれます。
明本は、中国が元(げん)とよばれていたころの禅僧です。日本から中国へ勉学のために渡った僧に、明本に師事するものが多くいました。
絹本淡彩中峰明本像
明本の自賛がある
絵画
昭和45年4月1日 (山口県教育委員会告示 第3号)
山口市水の上町5番27号
宗教法人 洞春寺
元時代 (1300~1320頃)
一幅
絹本着色、掛幅装
衣をまとっている半身像、顔や唇には着彩、絹は唐絹。
縦102cm、横52cm
画の上方に下記の賛がある。
幻人無此相比相非幻 人若喚作中峰鏡 面添埃塵
和南双眼碧能辨疎 与親請掛向空壁日 日生陽春
幻住道者明本書
中峰明本は中国元の禅僧、杭州の人、1262年出生。姓は孫、字は中峰。幼時から仏事に心をよせ、やや長じて法華、円覚、金剛などの諸経を閲読し学修にこれつとめた。天目山の玄妙について剃髪し、具足戒をうけ心印を伝えられた。のち諸国を巡って教化につとめた。元の仁宗に召されたが応ぜず。金襴の袈裟を賜わり、仏慈円照広慧禅師の号を受けた。我が入元僧のうち師事するものも多かった。儒仏二教の調和を論じ、教禅一致も説いたが、また禅浄一体を唱え、浄土信仰の所有者であった。著作も多い。
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