大内版三重韻
おおうちばんさんじゅういん
岩国市
県
有形文化財
室町時代
所在地 岩国徴古館(岩国市)
時 代 室町時代 1539年(天文8)大内義隆の出版、周防大内版として知られる
南北朝時代には禅宗の僧侶の間で漢詩を作ることが盛んになり、作詩に便利な辞書として「聚分韻略」があった。第29代大内政弘もこの辞書を木版本として出版したこともあった。
第31代大内義隆は、祖父の作った辞書に工夫を加え、携帯の便利を考え小型化して出版した。それが本書である。本書は義隆とかかわりのある岩国市永興寺に伝わった、県内に残る唯一の本である。
よって、本書は大内義隆の文化人の一面を示すと共に、大内文化の遺産として貴重な資料である。
今から600年前の南北朝時代には、禅宗(ぜんしゅう)の僧の間で漢詩を作ることが盛んになり、作詩に便利な辞書を求める人がふえました。大内氏の第29代大内政弘(まさひろ)は「聚分韻略」と呼ばれる辞書の木版本(もくはんぼん=板に字を掘って、木版画のようにすって作った本)を出しました。第31代大内義隆(よしたか)は、祖父の作った辞書に工夫を加え、持ち運びに便利な小型の本を1539年に出版したのがこの本です。 戦乱の世にあって、学問や文化を好んだ大内義隆の文化人の一面を示すと共に、大内文化の遺産として貴重な資料です。
大内版三重韻
典籍
昭和51年11月24日 (山口県教育委員会告示 第6号)
岩国市横山2丁目7番19号 岩国徴古館
岩国市
室町時代 天文8年(1539)
五巻
一冊
袋綴冊子装(84丁)、単辺、有罫、9行
縦20.1cm、横15.2cm (匡郭内)縦12.6cm、横12.3cm
[刊記]
三韻一覧寶於世之」書也凡遊於藝工於」詞之士未嘗無取焉」
信手開巻三聲之字」篠次於一紙之上平」仄之異燦然於一目」
之中古之人五行倶」下十行並下之説未」必有踰此不亦快乎」
余平素有意於勸人」蓄之故不待其桐梓」之朽腐乃復命工新」
其刊矣庶為是州廳」本乎然而小其字於」舊板冊子亦短其紙」
蓋所以備於勤于熟」覧者之蔵於巾箱携」於袖間也若夫與舊」
本同施敷於世光飾」藝苑潤色詞林則所」謂径寸之珠不失寶」
於其形之小者也矣」時天文八年己亥春」三月日正四位下行」
大宰大貳兼兵部權大輔周防介臣多多良朝臣義隆
[帙包銘]
此三重韻者天文年中大内義隆公」命工而所刊之本也于世謂山口版」
三重韻載于日本名物記也幸雖」在當山文庫年久世遠而欲埋」
蠧腹故修之帙包之願後世」莫使蠧食矣
享保二十年歳舎乙卯七月日 方超宗捕焉
入声本に「玉田千駒(花押)」の陰刻があり、刻工の名かと思われる。出版は大内義隆による。
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