長門国鋳銭遺物
ながとのくにちゅうせんいぶつ
下関市
国
重要文化財
奈良時代
「長門国鋳錢遺物」は、古代の貨幣鋳造機関の遺跡である長門鋳銭所跡からの出土品。708年(和銅1)から鋳造が開始された貨幣・和同開珎1枚、それを作ったときの型12枚、るつぼや鞴口(ふいご)などがある。
「長門鋳銭所跡」も国指定史跡で、史跡地は下関市長府国分寺跡の西北部にあたり、現在は覚苑寺(かくおんじ)境内及び畑地となっている。遺物は遺跡の地下60~90㎝の土中から出土した。長門鋳銭所は、おそくとも奈良時代の730年(天平2)頃には鋳造を開始していたと考えられている。
「長門国鋳錢遺物」は、古代の貨幣鋳造機関の遺跡である長門鋳銭所跡からの出土品です。708年(和銅1)から鋳造が開始された貨幣である和同開珎1枚、それを作ったときの型12枚、るつぼや鞴口(ふいご)などがあります。「長門鋳銭所跡」も国指定史跡で、現在は覚苑寺(かくおんじ)境内及び畑地となっています。遺物は遺跡の地下60~90㎝の土中から出土したものです。
長門国鋳銭遺物
一、和同開珎銭ぱん残欠
一、坩堝残欠
一、鞴口残欠
一、和同開珎
重要文化財(考古資料)
昭和39年1月28日 (文化財保護委員会告示 第3号) 考第262号
下関市立長府博物館
下関市
奈良時代
和同開珎銭簿残欠 12個
坩堝残欠 3個
鞴口残欠 4個
和同開珎 1枚
[和同開珎銭笵残欠]
極めて粒の細い土を焼いて作ったものである。いずれも断片で、その原形は明らかでないが、湯道(幅約0.8cm)に沿って、その両側に銭型(径約2.4cm)が並んでいる。
銭笵には「和同開珎」の銭文のあるものと、素文のものとの2種がある。銭文のあるものは中央の方孔の部分がやや凸出し、周縁と孔廓及び銭文の箇所が少し窪んでいる。素文のものは方孔の部と周縁がわずかに窪んでいる。覚苑寺所蔵のものの中には、湯道に尚溶銅の付着しているものが1個ある。
総体風化甚しく極めて脆弱である。
[坩堝残欠]
砂まじりの粘土で作られた厚手の腕形の器で、口縁に注口を付している。いずれも断片であるが、その大きさは径17cm内外、高さ約7~8cmであったと推定される。外側は黄褐色ないし灰色を呈し、内面及び口辺には銅滓が付着している。
[鞴口残欠]
小石を含んだ粘土製漏斗状のもので、内部は送風のための円孔を貫いている(孔径2.8~4cm)。口せばまった方の先端には黒褐色の付着物がみられる。
[和同開弥]
銅銭。鋳造の際、湯まわり悪く小孔ができている。周縁の幅は1~2mmで均一ではない。
[和同開珎銭笵残欠]
(1)7.4cm×4.5cm (2)4.7cm×6cm
(3)4.7cm×5.6cm (4)4.6cm×5.5cm
(5)4.8cm×3.7cm (6)5cm×3.7cm
(7)5cm×3.5cm (8)5.6cm×3.2cm
(9)4.3cm×3.2cm (10)4.8cm×4cm
(11)3.8cm×3cm (12)3.7cm×3.2cm
(13)4cm×3.9cm (員数外)
[坩堝残欠]
(1)14cm×12cm 厚さ(口縁)約2cm (底部)約3cm
(2)13.5cm×10cm 厚さ(口縁)約2cm
(3)11.4cm×9.5cm 厚さ(口縁)約2cm
[鞴口残欠]
(1)長さ(現存部)11.5cm 径7.5cm
(2)長さ(現存部)9.8cm 径7cm
(3)長さ(現存部)15.5cm 径9cm
(4)長さ(現存部)7cm 径6.5cm
[和同開珎]
径2.4cm 厚さ(周縁)0.1cm
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