御山神社経塚出土品
おやまじんじゃきょうづかしゅつどひん
山口市
県
有形文化財
平安時代
阿武町惣郷の御山神社境内地にある経塚(お経を書き写して筒に入れ地中に納めた塚)からの出土品。銅経筒1口・銅鏡1面・青白磁合子6合・短刀2口・短剣1口・墨書法華経8巻・基台1個からなる。経塚には、木の台の上に銅鏡を置き、その上に銅製の経筒(高さ29.6㎝)が埋められ、筒の中に法華経・短刀・短剣・中国宗代の青白磁合子が納められていた。
平安時代末期(12世紀)の経塚出土品として、遺物がひとまとまりにそろっていることに価値がある。
阿武町惣郷の御山神社境内地にある経塚(お経を書き写して筒に入れ地中に納めた塚)からの出土品です。銅経筒(お経を納めた筒)、銅鏡、青白磁合子(中国の焼き物)、短刀、短剣、法華経、基台などが」みつかっています。平安時代末期(12世紀)の経塚出土品として、遺物がひとまとまりにそろって納められていることが特徴です。
御山神社経塚出土品
銅経筒
銅鏡
青白磁合子
短刀
短剣
墨書法華経
基台
考古資料
昭和49年11月8日 (山口県教育委員会告示 第5号)
山口市春日町8番2号 山口県立山口博物館寄託
宗教法人 御山神社
(銅経筒) 一口
(銅鏡) 一面
(青白磁合子) 六合
(短刀) 二口
(短剣) 一口
(墨書法華経) 八巻
(基台) 一個 1 銅経筒 1口
1 銅鏡 1面
1 青白磁合子 6合
1 短刀 2口
1 短剣 1口
1 墨書法華経 8巻
1 基台 1個
[銅経筒] 1口
全高 29.6cm、蓋高 3.3cm、径 8.9cm、蓋径 10.0cm
筒身は鋳銅製円筒状で入れ底(銅鏡)。一部破損している。筒身中央部には帯状の隆起がある。蓋は宝珠形式で、緩い甲盛がある。鋳造技術は精妙ではない。
[銅鏡] 1面
径 8.5cm、厚 0.2cm
草花文鏡。経筒の入れ底に使用された和鏡。かなり磨損した草花文鏡を転用したと思われる。鏡の縁を削りとって筒に嵌入するのが通例であるが、この場合は殆ど原形のままで、紐をそのままに残している。
[青白磁合子] 6号
(注)器高の( )内は「立ち上」
合子6個はいずれも青白磁で、宋代の中国より船載した景徳鎮青白磁の典型である。青白磁合子がなぜ埋納されたかは明確ではないが、香容器、埋納時の香華供養に用いたもの、あるいは化粧用具の1つであったもの等が考えられる。いずれにしても、平安時代の人々が輸入品として珍重し愛用していたものを経塚に埋めたものである。
この青白磁合子と同種のものが、近畿、瀬戸内沿岸の中国、四国地方、九州地方、さらに朝鮮、東南アジア各地に分布、現存していることから、大量に製作された輸出用の子品であったと考えられる。
[短刀] 2口
短刀① 現存全長 30.8cm、現存幅 3.5cm
短刀② 〃 28.2cm、〃 3.8cm
[短剣] 1口
現存全長 15.2cm、現存幅 2.6cm
短刀、短剣ともに鉄製で腐蝕が甚しい。経塚に埋納された鏡や短刀には、経典の保存を妨害する悪魔をはらう力があると信じられた。
[墨書法華経] 8巻
1巻 妙法蓮華経 巻第1 現存全長 7,2m
2巻 〃 〃2 〃 6.65m
3巻 〃 〃3 〃 7.15m
4巻 〃 〃4 〃 7.14m
5巻 〃 〃5 〃 6.60m
6巻 〃 〃6 〃 4.65m
7巻 〃 〃7 〃 7.50m
8巻 〃 〃8 〃 5.20m
各巻ともに、幅25cm、奥書がないので願主は不明
[基台] 1個
杉材。経筒を嵌入させる円形の切り込みがある。
長径 13.5cm、短径 12.0cm、厚さ 3.5cm
(円形の切り込み)
長径 9.2cm、短径 8.8cm、深さ 2.2cm
経筒が鋳銅製で、宝珠形式の蓋を持ち、筒身の中央部に帯状の隆起があり、入れ底に和鏡を用いている点は、平安時代後期(藤原時代末期)の経塚出土品として、一典型を示す。
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