庄地のスイドウ
しょうちのすいどう
周防大島町
県
民俗文化財
久賀地域の傾斜地にある耕地は棚田が多く、この地方では古くから、かんがい用水の確保に工夫がなされてきた。このスイドウ(水道)は、標高100m~50mの棚田をうるおすために傾斜地にある棚田の地下を貫きつくられた、長さ160mの地下トンネルのかんがい水路であり、このような横穴を持つ水路は久賀地域で40ケ所にも及んでいる。
指定されたものは、その中でも最も古い形の石垣の積み方と用水路の組合せで、規模の大きいものであり、築造時期は鎌倉時代末期から室町時代と推定され、全国的にも類例を見ないものである。久賀の石工の技術は、海岸の防波堤の石積み等で「大島の石垣づみ」と呼ばれ技術的な高さが認められており、その技術が生かされた土木構造物ともいえる。
このスイドウは山の傾斜地にある棚田に水をうるおすために築かれた、長さ160mの地下トンネルの水路のことです。この地域では古くから、農業用水を確保するためにいろいろ工夫がなされてきました。そのつくり方は、山に横穴を掘って水をさがし出し、上の棚田をつくる時に、前もってトンネルのような石垣の水路をつくって、その上に棚田をつくり、棚田の下を通して水を流しました。このような横穴を持つ水路は、久賀地域で40ケ所もあります。
この地域の石を加工する人々の技術は、昔から海岸の防波堤(ぼうはてい)などに生かされ、「大島の石垣(いしがき)づみ」と認められていました。その技術を生かして造られたものといえます。
庄地のスイドウ 2.45ha
有形民俗文化財
昭和47年5月12日 (山口県教育委員会告示 第4号) 民俗資料
昭和51年1月1日 (山口県文化財保護条例1部改正に伴う名称変更) 有形民俗文化財
大島郡周防大島町大字久賀
二.四五ha(24,555.2平方メートル)
[構造]
標高約100mから50mに及ぶ傾斜地の耕地にある灌漑用水路で、傾斜地の耕地を縦貫する暗渠が敷設され、巨大な石垣の横穴は用水の取り入れおよび排水の役目を果たしている。
[形式]
自然石を利用した谷石積みである。
[寸法]
石垣層高 50m、スイドウ延長 160m
[特徴]
このような古い形式の石垣と用水溝の組み合わせで規模の大きなものは、現在までのところ全国的にも類例を見ない。
旧条例により指定された山口県指定民俗資料は、新条例附則6により、新条例の施行日をもって、山口県指定有形民俗文化財とみなす。
〒753-8501 山口県山口市滝町1-1
Tel:083-933-4666 Fax:083-933-4829
E-mail:
Copyright(C) 2010 山口県観光スポーツ文化部文化振興課