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文化財の概要

文化財名称

諫鼓踊

文化財名称(よみがな)

かんこおどり

市町

周南市

指定


区分

民俗文化財

一般向け説明

 7年目毎に行われる熊毛神社の秋季例祭(10月11日)の時に、神社およびお旅所で奉納される踊り。豊臣秀吉が朝鮮征伐に行く途中で、この地に宿泊した時、自ら土地の名称を聞いて、「韓を攻める途中に勝間とは、吉瑞である。」と言って、熊毛神社に戦勝を祈念した。その後、凱旋の帰途に、再び、この地に立ち寄り、神社に参拝してお礼を言上して、太刀・神馬・その他の物とともに、「諫鼓踊」と名付けた踊りを奉納した。それ以来、この踊りを神社の例祭に奉納するようになったと言い伝えられている。また、陶晴賢が大内義隆を討ち取った時の様子を表しているものという説もある。

小学生向け説明

 7年目毎に行われる熊毛神社の秋季例祭(10月11日)に、神社とお旅所で奉納される踊りです。豊臣秀吉が朝鮮征伐に行く途中、熊毛神社に戦勝を祈り、戦いに勝って帰る途中、再び、神社に参拝してお礼を言い、太刀・神馬・その他の物とともに、「諫鼓踊」と名付けた踊りを奉納しました。それ以来、この踊りを神社の例祭に奉納するようになったと言い伝えられています。また、陶晴賢が大内義隆を討ち取った時の様子を表しているものという説もあります。

文化財要録

要録名称

諫鼓踊

指定区分・種類

無形民俗文化財

指定年月日

昭和51年3月16日 (山口県教育委員会告示 第3号) 無形民俗文化財

所在地

周南市

保持者

勝間諫鼓踊保存会

時期及び場所

 7年目毎の熊毛神社の秋季例祭のとき、即ち10月11日に、熊毛神社および御旅所で奉納する。

由来及び沿革

 豊太閤が朝鮮征伐の途上当地に宿泊した時、自ら土地の名称を聞き「韓を攻める途中に勝間とは吉瑞である」といって熊毛神社に戦勝を祈念した。その後凱旋の帰途再び当地に立寄り神社に参拝御礼を言上、太刀・神馬その他のものとともに、諌鼓踊と名づけた踊を奉納した。以来その踊を神社の例祭に奉納するようになったと伝承されている。又、大内義隆を討取ったときの模様を模したものとの説もある。

内容



構成

(1)手木(拍子木) 男1人 (2)旗持 男 1人 (3)ほら貝ふき 男1人 (4)杖術者(棒つかい) 男2人 (5)大聖 男1人 (6)小聖 1人 (7)音頭鶏(胴取り) 男2人 (8)踊子 7才から12才までの男子12人で長男に限る (9)僧 1人

設備・衣装・用具

(1)手木(拍子木)
 黒紋付に裃を着用し、白足袋に草履をはいて手木を持つ。
(2)旗持
 黒紋付に白下着の着流しで幅1m長さ2mの蓆に「奉納諌鼓踊」と書いたものを竿棒につけてもつ。
(3)ほら貝ふき
 黒紋付白下着を着て黒足袋に草履をはく。着付は「よてんからげ」とし手甲をつつけ脚袢をはく。手甲脚袢ともに表黒布に金線3本を縦に縫付けておく。陣笠をかぶりほら貝を持つ。
(4)杖術者(棒つかい)
 黒紋付白下着角帯を「割ばさみ結び」に結んで袴なし。「よてんからげ」に着て白の襷を後に長くたらし白鉢巻を用い、黒足袋に草鞋手甲脚袢をつける。手甲脚袢の金線はほら貝ふきに同じ。
(5)大聖(大ひじり)
 黒紋付に白下着麻裃を着用する。裃の袴の方は「高からげばき」とする。
 手甲、脚袢、鉢巻は杖術者に同じ。白足袋に白布緒の草履ばき唐団扇を持つ。唐団扇は、軍配団扇の形をして縦50cm、横30cmとし、白地貼片面に日、片面に月を画く。周囲に5色の色紙を房状切って貼る。柄の長さは約2m位にする。

(6)小聖(小ひじり)
 衣裳、履物は大聖と同じで軍配団扇のかわりに長さ2mの棒に紅白の布を交互に巻き、5色の色紙を房状に切ったものを両端につけたものを持つ。
(7)音頭鶏(胴取り)
 黒紋付白下着を重ね、袴は十番馬乗袴を用い、相引のところを袴紐にはさむ。白足袋に白布緒の草鞋をはき手甲脚袢は聖と同じものを用いる。5色の襷を後にたらし、花笠をかぶる。花笠は割竹で台をつくり桜の小花をつける。中央の上部に大型の牡丹の花をつけ、その花の中に剥製にした雄の日本鶏の全身をつける。鶏の中、1羽は口を開けており、1羽は口をつむいでいる。これは踊の中に闘鶏の場面があり、口を開けた方が負けた姿を表現する。花笠は赤の紐であごに結びその上を紅白の布をねじ縫いした鉢巻で笠が動かないようにする。
楽器は〆太鼓で太鼓の縁に色紙を房状に切って貼り、〆糸の上を5色の布で結んで前に垂らし、同じく5色の襷布と同じもので太鼓を胸高く結びつけ後に垂らす。そして木製の棒を紅白の布で巻いたバイを持って太鼓をたたく。
(8)踊子
 黒紋付広袖仕立の上衣に、5色の重ね仕立の下着を重ねて着る。これに木綿縞の袴をはき白足袋、白布緒の草鞋をはく。手甲は聖と同じものを用い、脚袢は用いない。後腰に腰輪をつける。腰輪は幅1cm、長さ80cmの割竹に紅白の布を巻き、3ケ所に幣を下げ両脇の帯に結びつけ、袴は胴取りと同じ。
それから頭に花笠をかぶる。花笠は、直径40cm位、笠台は幅2cmの割竹で作り、桜の小花を、笠が花で埋ったようにつける。中央の上部に牡丹の大花を1つつける。背中に旗を結びつける。旗は黄・水色・赤の3種を用い1人1色とし、並幅長さ70cmのものを長さ1m余りの旗竿に通したものを背中に結びつける。踊るときには手に鉦鼓を持つ。鉦鼓には5色の色紙を房状に切って周囲につけ、紅白の下げ紐をつけて手に提げる。橦木は鉦鼓に似合の大きさのものを用いる。

(9)僧
 白の下着に、紫の僧衣を着し、頭巾をかぶる。宗旨は不明であるが、現在は浄土宗の僧衣を用いている。白布で作った手甲脚袢を用い、白の帯、白足袋、白紙緒の草履を甲かけばきとする。踊るときには、小丸籠を持つ。小丸籠は、籠全体を白紙で貼り、花まりかその他花の模様を日本画風に画く。この小丸籠の中には本膳に用いる平椀に紅白の紐をつけ鉦鼓を型どったものと、藁製の橦木を5色の紙で飾ったものを入れておく。寄捨の菓子を入れておくこともある。この外に唐団扇を持つがこれは聖のもつものと同じで柄長さを90cm位とし、画く絵も日月を片画に画くか、又は表に打出の小槌、裏はかくれみのの絵をかくことになっている。

特色

 歌詞音曲が伴わないことと、胴取り、団扇遣い、鉦打ち、杖使いを主として踊組を構成し、その使用する楽器が太鼓を主とし、これに鉦が伴い、団扇杖が切具として添えられることである。又この踊を最も引立たせるものは、その衣裳、花冠、ひもろぎをかたどったといわれる腰輪であろう。

画像

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