赤崎神社楽踊
あかさきじんじゃがくおどり
長門市
県
民俗文化財
毎年9月10日、赤崎神社祭礼の日に、神社境内と楽桟敷または市民スポーツ遊園地で奉納される踊り。1596年(慶長1)、北長門地方一帯に牛馬の疫病が大流行し、深川村でも、 380頭余りの牛馬が病死するという惨状であったので、牛馬の守護神である赤崎神社に疫病が治まるよう祈願した。その祈願成就の神の恩に感謝するために踊りを奉納したのが始まりであると伝えられている。楽組が5組あって、それぞれ踊りが少しずつ異なっていたが、現在は、「月の前の伶楽」と、「虎の子渡し」と呼ばれる2楽が残っている。
国により記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財として選択されている。
毎年9月10日、赤崎神社祭礼の日に、神社境内と楽桟敷または市民スポーツ遊園地で奉納される踊りです。1596年(慶長 1)、北長門地方一帯に牛や馬の疫病が大流行し、深川村でも、 380頭余りの牛や馬が病死したので、牛や馬の守り神である赤崎神社に疫病が治まるよう祈りました。その願いが叶った神の恩に感謝するために踊りを奉納したのが始まりと伝えられています。
国により記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財として選択されています。
赤崎神社楽踊
無形民俗文化財
昭和47年8月5日 (文化庁・芸能第123号) 「記録作成の措置を講ずべき無形文化財」として選択
昭和51年3月16日 (山口県教育委員会告示 第3号) 無形民俗文化財
長門市
赤崎神社楽踊保存会
毎年9月10日の赤崎神社祭礼の日に長門市深川・赤崎神社境内、楽桟敷又は長門市市民スポーツ遊園地で奉納する。
慶長元年(1596)北長門地方一帯に牛馬の悪疫が大流行し、深川村においても380余頭の牛馬が病死するという惨状であったので、牛馬の守護神たる赤崎神社に平癒を祈願したが、その立願成就の神恩に奉謝するために奉納したのが開始である。数部落で構成する楽組が五組存在し、各組の踊りは少しずつ異なりそれぞれ月の前伶楽(江良・藤中・中山)、虎の子渡し(上川中・下川西・上の原・開作)、獅子の洞入(河原・大河内・小河内・殿台)、華表潜り(上郷・下郷)、斗鶏(板持)の名称で住民に親しまれてきたが現存するのは月の前の伶楽・虎の子渡しの二楽である。
(1)祭礼順序
①注連縄張り 8月31日当屋の門口に注連縄を張り宮司の祓をうける。
②当屋渡し 9月1日前年度の当屋宅に楽踊の用具一切を入れた長持を受取りに行き、道具の引継ぎをし、その年の当屋組の戸主全員が当屋に集まり直会をする。
この日に踊の役者を割当てる。
③踊の稽古 9月2日、4日、6日の夕刻より当屋の門前にて稽古をする。
④花揃い 9日の夕、踊の道具、花冠を一切調え祭礼奉納の準備をする。
⑤祭礼奉納 9月10日午後、当屋に勢揃いした踊組一同は、紋付羽織に威儀を正した当屋を先頭に隊列を整え、神酒、肴を詰めた重箱をさげた当屋組員を従えて赤崎神社に練り込む。その際は、隊列を正し道行の隊形にて太鼓・鉦を打ちながら練り込む。当屋は、役者を従えて神前にてお祓いをうけた後奉納する。終ると、飯山八幡宮に参り、再び奉納をして、元の控えに帰り、全ての奉納行事が済み次第帰路につく。各踊組の古来よりの慣例により昔の鎮守神に向って奉納し、最後に当屋の門にて奉納し、すべての奉納行事を終る。
(2)楽踊の種類と楽組
楽踊は、5種類に分れ、1種類の楽組は数部落(小村)にまたがり数個の当屋組を含んでいる。各踊組の踊は、一つ一つやや踊り方が異なる。
①月の前の伶楽 (江良・藤中・中山の各部落)
②虎の子渡し (上川西・下川西・上ノ原・開作の各部落)
③獅子の洞入 (河原・大河内・小河内・殿台の各部落)
④華表潜り (上郷・下郷の各部落)
⑤斗鶏 (板持部落)
(3)道行
宮参りともいい、祭礼当日は当屋の門に勢揃いし、次のような隊形で赤崎神社に練り込み奉納の順番を待つ。
道行の隊形
①法螺貝 ②頭屋 ③警固(花持) ④~⑥警固 ⑦杖遣い ⑧団扇遣い ⑨杖遣い ⑩団扇遣い ⑪~⑫胴取 ⑬~22鉦打
(4)踊の態様
踊庭に練り込んだ行列は、頭屋を右翼に警固が神社に向い一列横隊に並び頭屋の後ろに法螺貝が並び、横の後ろに鉦打が円陣をつくり、その中央に中踊の胴取が横に並び、その背後に団扇遣い、杖遣いが横隊に並び隊形を整えて、先ず頭屋が祭文を奏上(庭誉め)し次いで杖遣いが庭堅めの儀式をなし、愈々踊りに入る。
警固は四方に立ち、鉦打は丸く円陣を作り、胴取り、団扇遣いは向い合って位置し、団扇遣いの傍には、杖遣いが並ぶ。胴取の太鼓とともに中踊は左に廻り始め胴取は左右前後にあるいは大きくあるいは小さく跳ね、その間を縫って団扇遣いはあたかも鶏の喧嘩(胴取)を仲裁し、あるいはけしかけるが如き所作にて跳躍しながら大きく団扇をさばいて入り乱れ、かたわらには杖遣いが棒を打ち回しながら飛び跳ねる。始めは静かな壮重なテンポであるが、徐々に激しく鶏の蹴合いの最高潮に達するや、胴取の宝冠はゆさゆさと豊かに揺れその間を大団扇が激しく叩き合い側踊の鉦打の円陣も前後左右に開いたり閉じたり実に跳動的な乱舞の展開は、まさに華麗けんらんの絵巻物である。やがてもとの静けさに返り踊り納める。
(1)当家 1名 (2)法螺貝 1名 (3)警固 4名 (4)胴取 2名 (5)団扇遣い 2名 (6)杖遣い(童子) 2名 (7)鉦打(童子) 10名
(1)胴取
この踊の主役。宝冠(赤・白・黄・青・紫の五色で、牡丹・桜・菊等の花をかたどった径1m余、高さ60cm余の大花笠)を頭に戴く。法被(袖のない衣)の上に麻の裃をつけ、腰輪(五色の幣を付けた竹輪)をつける。腰からは腰鼓を吊して撥を持ち両手に手覆をつけ、草鞋ばき。
(2)団扇遣い
踊の指導的な役。塗笠(陣、笠)・帯刀・襷がけ(15cm幅の黒朱子帯を十文字に結び背に長く垂らす)、着衣は久留米絣の長袖。立懸をはき手覆・草鞋ばき。左腰に華麗な布片(青・黄・赤等)を垂らす。
印籠を吊る。右手に大団扇(方60cm余・20cm前後の握りの柄)を持つ。団扇の絵模様は踊の種類により異り、例えば虎の子渡しという踊では、表は竹に虎、裏は松というように極彩色で美しい。
(3)杖遣い
華麗な色彩の襷(3色)を背に垂らす。腰には赤・黄・青の布片を垂らし、頭に黒襦子の中央に一に3つ星の鉢巻をしめる。赤の手甲脚袢・草履ばき。右手に1m50cm位の5色の紙を左巻きにした樫の棒を捧ぐ。
(4)鉦打
揃いの筒袖絣に赤の手覆・脚袢・草履ばき。5色の切りさげ紙を周りに貼ったたこう鉢を被り、5色の切り下げ紙を垂らした腰輪をつける。左手に鉦・右手に色紙を巻いた撞子を持つ。
(5)頭屋
麻の裃・紋付・手に幣を捧ぐ。
(6)警固
紋付裃・手に奉書をまいた青竹の杖を持つ。
(7)法螺貝
紋付袴・首より法螺貝を吊る。
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