木造大日如来坐像
もくぞうだいにちにょらいざぞう
防府市
国
重要文化財
平安時代
防府市防府天満宮に蔵されている。ヒノキ材で、頭部と胴を一木で彫出し、両手は肩から胴に接合している。ひざは横木をもって胴にはぎあわせてつけている。像高は97.6cm。大日如来は真言密教の仏像で、金剛界(こんごうかい)と胎蔵界(たいぞうかい)の二種があるが、この像は胎蔵界の大日で、両手をひざの上に置き、法界定印(ほっかいじょういん)という形に指をくんでいる。顔の張りがあり、胸も豊かで、両腕の肉付きもよく、この像の制作の古いことを物語っている。頭に天冠台(てんかんだい)が彫ってあるが、その上にあった宝冠は失われている。胸飾、ひじくしろ、腕くしろは彫り出されている。体にまとう衣の衣紋(えもん)は風化して見定めがたいが、その刀法は浅く温和で、制作の年代は平安時代中期の10世紀頃と見られる。
これは防府市の防府天満宮にあります。
ヒノキを材につくられた仏像で、像高は98cmです。
つくられたのは平安時代とおもわれます。
大日如来は真言密教の仏像で、金剛界(こんごうかい)と胎蔵界(たいぞうかい)がありますが、この像は、理をしめす胎蔵界の大日如来です。
木造大日如来坐像
重要文化財(彫刻)
明治35年7月31日(内務省告示 第55号)国宝(旧)
昭和25年8月29日文化財保護法施行により重要文化財
防府市松崎町14-1
宗教法人 防府天満宮
平安時代後期
一躯
〔本躰〕
桧材、寄木造、後頭部縦に矧付、前面頭部胴と共木彫出し、側面後寄にて縦に矧付け、両手は肩にて胴に接合し、肘より先両手は膝と共木彫出し、膝は横木をもって胴体に矧ぎ合わす、両拇指附根より先矧付、裳先も矧付あり、肉身漆箔、衣文素地を露出す。
〔本 躰〕
像高 97.6㎝
自頂上至顎 35.5㎝
面副 18.5㎝
面奥行 22.3㎝
自髪際至顎 16.8㎝
耳張 22.7㎝
宝冠高 12.1㎝
臂張 54.5㎝
腹奥行 25.1㎝
膝張 71.2㎝
膝高 13.3㎝
膝奥行 49.4㎝
〔台座〕
総高 9.1㎝
足高 3.0㎝
副 91.0㎝
奥行 60.6㎝
大日如来は真言密教の本尊である。この大日如来に二種ある。すなわち金剛界の大日如来と胎蔵界の大日如来である。金剛界、胎蔵界というのは、大体密教では仏像を壇上に配置して、これによって仏教の教理を説明する風があり、またこれが最も大切なものと身做されている。これを曼荼羅という (絵画の部下関国分寺蔵安鎮曼荼羅の項参照)。その曼荼羅の主なるものに金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅の両部曼荼羅がある。金剛界曼荼羅は演繹的に仏教の理を説き、胎蔵界曼荼羅は帰納的に説明したものである。而して金剛界・胎蔵界の大日如来は各各その曼荼羅の中央にあり(金剛界ではその最も中央なる成身会のまた中央に、胎蔵界では、中央の中台八葉院のそのまた中央にある)、又各曼荼羅の主尊である。そして、金剛界の大日と胎蔵界の大日とは、その印相により区別される。すなわち、金剛界のは智拳印、胎蔵界の方は法界定印という印を結んでいるのであって、本像はこの胎蔵界の大日である。
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