木造赤童子立像
もくぞうあかどうじりゅうぞう
萩市
国
重要文化財
鎌倉時代
萩市大照院に安置されている。ヒノキ材の寄木造りで、玉眼(ぎょくがん)、彩色像である。赤童子(あかどうじ)は、天孫降臨のときの使者、春日大明神の姿であるといわれている。目を見開き、口を大きくあけ、右手は杖を持ち、左手を握りしめている姿は、大声で人々を叱咤(しった)するように見える。しかしその顔は恐ろしいというより、むしろ可愛らしい感じである。像高は81.4cm。頭上の冠は当初のものが残っていて貴重である。顔や手の筋肉の動きは写実的に表現されており、像全体の均整もよくとれている。袖口の反りや後方になびく裾(すそ)にすこし厚ぼったい感じがあり、中国宋時代の彫刻の影響を感じさせる。鎌倉時代末の作と考えられる。赤童子の彫刻で重要文化財に指定されているものは、全国でこの一体のみである。
これは、萩市の大照院にある仏像です。
ヒノキなどの木で作られています。
赤童子(あかどうじ)は、春日大明神(かすがだいみょうじん)の姿であるといわれています。
像の高さは81cmです。
鎌倉時代につくられたものとおもわれます。
赤童子の彫刻で重要文化財に指定されているものは、全国でこれだけです。
木造赤童子立像
重要文化財(彫刻)
明治35年7月31日(内務省告示 第55号)
萩市大字椿字青梅
宗教法人 大照院
鎌倉時代末期
一躯
〔本躰〕
桧材、寄木造、彩色、玉眼水晶、宝冠銅製鍍金。
〔台座〕
桧材、寄木造、岩座彩色、蹴込付框座、黒漆塗、角金具銅製鍍金。
〔光背〕
桧材、寄木造、漆箔。
像高 81.4㎝
髪際下 77.5㎝
頭長 15.7㎝
面長 10.7㎝
面幅 9.8㎝
肩張 18.5㎝
肘張 43.5㎝
胸厚 15.0㎝
腹厚 15.7㎝
腰張 22.5㎝
腰厚 16.0㎝
裾張 38.0㎝
赤童子というのは、他に、類例が殆どなく、奈良県大和郡山市植槻神社に赤童子の絵画(室町時代)があるくらいである。赤童子とは仏像図彙によれぱ、天孫降臨の時の使者である春日大明神であるということである。この地の伝説にも昔国守という長者がいて、その人の飼っていた白牛が治承4年東大寺が平重衡の乱に焼かれて再建される時の材木を運びその帰りに春日大明神を勧請して帰ってきたのだと伝えている。つまり、一種の垂迹像と見做すべきものであろう。
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