木造大日如来坐像
もくぞうだいにちにょらいざぞう
山口市
国
重要文化財
平安時代
山口市竜蔵寺に蔵されている。ヒノキ材の一木造りで、像高は98.8cm。宝冠をいただき、両手をひざ上で重ねて定印を結ぶ胎蔵界大日如来である。腕から胸にかけての体相は、肉付がよく量感があって平安期の古風が感じられる。しっかりと張ったひざに均整のとれた体部が据えられ、安定した姿を示している。やや伏目の面相の表現も洗練されていて、美しい仏像である。肉付きに豊かさを残すが、全体に彫りが浅く、ひざの厚みも少いところから平安時代後期12世紀頃の作と考えられる。後背(こうはい)・台座は後補であるが、鎌倉時代のものと見てよいであろう。
この仏像は、ヒノキの木を彫ってつくられたもので、仏像の高さは99cmです。
大日如来は真言密教の仏像で、金剛界(こんごうかい)と胎蔵界(たいぞうかい)がありますが、この像は、理をしめす胎蔵界の大日如来です。
つくられたのは平安時代とおもわれます。後背(こうはい)・台座の方は鎌倉時代につくられたものとおもわれます。
木造大日如来坐像
重要文化財(彫刻)
昭和19年9月5日(文部省告示 第1056号)国宝(旧)
昭和25年8月29日 文化財保護法施行により重要文化財
山口市吉敷1750
宗教法人 竜蔵寺
平安時代後期
一躯
〔本躰〕
桧木、一木造り、全身布貼り、漆箔彫眼、木寄、頭部宝冠、腕釧、臂釧刻出、膝前は胴躰下腹部にて矧ぎ、両手先は膝前の材より刻出。
〔台座〕
桧材、寄木造り、漆箔、十枚並び五段葺蓮華座、敷茄子、蕊、以下八角形、華盤、下敷茄子、受座、反花、三段框座、十重座(後補)。
〔光背〕
桧材、寄木造り、漆箔、二重円相(当初のもの)、周囲光焔(後補)付。
〔本躰〕
像高 98.8㎝
自頂上至顎 35.1㎝
自髪際至顎 16.4㎝
面幅 17.3㎝
面奥 22.1㎝
耳張 22.6㎝
臂張 54.8㎝
腹部奥 27.0㎝
膝張 78.8㎝
膝奥 54.8㎝
膝高 13.3㎝
裳先奥 63.0㎝
〔光背〕
高 130.3㎝
径 101.2㎝
大円径 73.6㎝
小円径 44.5㎝
光脚高 17.6㎝
〔宝冠(八角)〕
径(上) 18.2㎝
径(下) 20.3㎝
高 20.3㎝
〔台座〕
総高 77.3㎝
蓮肉径 75.1㎝
同高 28.5㎝
上敷茄子径 31.8㎝
同高 33.2㎝
蕊径 37.9㎝
同高 4.5㎝
華盤径 64.8㎝
華盤高 3.6㎝
下敷茄子径 30.9㎝
同高 8.8㎝
受座径 57.6㎝
同高 4.5㎝
反花径 66.4㎝
同高 5.3㎝
三段框径 70.0㎝
三段框高 4.2㎝
二段框径 80.9㎝
二段框高 5.8㎝
一段框径 88.5㎝
一段框径 6.7㎝
足高 2.3㎝
松崎神社蔵のものと共に法界定印に位する胎蔵界の大日如来で、結跏趺座している(趺即ち背を左右の上に結跏して坐する法、大日如来は他の仏像の如く立像はなく、すべて坐像である)。そして頭上には松崎神社のものには見られなかった唐草の透彫の美しい宝冠がある。儀軌(密教における仏菩薩明王天部を念誦供養する儀式軌則を記せる書)によれば、大日如来は、五仏の宝冠(五躯の化仏の彫ってある宝冠)を頂いていることになっており、現存遺品にもかかる例はあるが(例 滋賀県野洲郡大日堂の胎蔵界大日如来)、それは珍しい方で、大抵当像に見るような唐草透彫の宝冠である。
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