木造阿弥陀如来坐像
もくぞうあみだにょらいざぞう
山口市
県
有形文化財
平安時代
山口市源久寺の本尊である。ヒノキ材の寄木造りで、像高44.2cm。平安時代後期12世紀の作である。細目の螺髪(らほつ)をていねいに刻み、ふっくらと肉付された顔は美しく、衣紋はリズミカルに整えられている。小品ながら県下に数少い中央作の一例である。両手で結んだ印は、下品中生(げぼんちゅうせい)という手印で、例が少なく珍らしい。当寺の開基、平子重経が鎌倉から入部の際、伝来したものといわれている。全体に保存が完好で、両手先に至るまで当初のものがよく残っていて優作である。
山口市にある源久寺(げんきゅうじ)の本尊(ほんぞん)です。
材がヒノキの、寄木造りの仏像です。高さは44cmです。
平安時代の終わりごろにつくられたものとおもわれます。源久寺を創建した平子重経(たいらごしげつね)が、関東からこの地に来たときに、いっしょにもってきたものといわれています。
中央で作られた仏像は山口県では数が少なく、貴重な仏像です。
木造阿弥陀如来坐像
彫刻
昭和41年6月10日(山口県教育委員会告示 第5号)
山口市仁保下郷2910番地
宗教法人 源久寺
平安時代末期
一躯
衲衣を着け、下品中生印を結び、右足外結跏跌坐。
桧材、寄木造、漆箔。彫眼。肉髻、白亳各水晶嵌入。螺髪彫出。木寄は頭躰部を通じて前後二材矧。首割矧。両肩を竪に矧ぎ、右膝奥を矧付け、膝前は横木一材製。裳先矧付(後補)。右手臂、手首を矧ぎ、左手前膊上面の袖を矧付け、左手先、この袖に差込み矧付。
像内全面に施した漆箔は後補。光背及び台座後補。
像高 44.2㎝
頂上~顎 15.2㎝
髪際~顎 8.2㎝
面幅 9.7㎝
耳張 11.8㎝
面奥 11.4㎝
臂張 28.5㎝
膝張 37.0㎝
膝高 7.4㎝
膝奥 26.1㎝
古来薬師如来と称され(風土注進案・地下上申・源久寺文書)、藤原時代の安阿弥作といわれ、平子重経が入部の際鎌倉から伝来したものと寺伝にいっているが、いずれにしても古来から源久寺本尊として尊崇されてきたものである。
源久寺は開基平子重経が、源頼朝の霊牌安置の所として正治元年に建立したもので、当初は、何宗であったのか、或は昔の本尊であった阿弥陀如来が伝わってそのまま現在に及んだものかも明らかでない。慶長年中、瑠璃光寺9世雲甫永岳和尚を以って源久寺中興開山とした。
現在本像は、一般に阿弥陀如来として信仰されているが、その法躰よりして薬師如来と考えられる。
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