木造不動明王立像
もくぞうふどうみょうおうりゅうぞう
萩市
県
有形文化財
平安時代
萩市長寿寺の不動堂の本尊である。ヒノキ材の一木寄木造りで、像高は162cm。頭部、体部を通じて前後二材をもってはぎ、内ぐりがなされている。眼は右眼を開き、左眼を半眼とする天地眼(てんちがん)で、牙を上下に出す。右手に宝剣、左手に羂索(けんさく)をとる。全体に肉取りもおだやかで、衣紋の刀法も鋭く、かつ力強く流動感がある。木寄せの古式と相まって、その制作は平安時代後期12世紀頃のものと思われる。両手先、光背、台座は後補である。本像はもと長寿寺の末寺松厳寺に安置されていたが、同寺の廃寺により、長寿寺に移されたものである。
萩市にある長寿寺の不動堂の本尊です。
ヒノキを材につくられた仏像です。
この仏像の高さは、162㎝です。人と同じくらいの大きさといえます。
平安時代につくられたものとおもわれます。
この仏像は、むかしは長寿寺の末寺松厳寺にありましたが、同寺の廃寺により、長寿寺にうつされたものです。
木造不動明王立像
彫刻
昭和41年6月10日(山口県教育委員会告示 第5号)
萩市大字北古萩13番地
宗教法人 長寿寺
平安時代
一躯
本躰は忿怒形、焔髪、弁髪左肩に垂れ、天地眼、牙上下出、右手に宝剣、左手に羂索を執り、腰を捻って立つ。
桧材、一木式、古色、彫眼、頭躰部を通じて前後二材矧、内刳、弁髪共木彫出、両肩を矧ぎ、両足先矧付。
両肩より先及び両足先、光背、台座、修補。両足半ばより下磨損、各所に虫蝕が認められる。
像高 162.0㎝
頂上~顎 29.0㎝
髪際~顎 17.5㎝
面幅 17.4㎝
耳張 21.0㎝
面奥(鼻頂欠) 20.6㎝
裾張 42.1㎝
涼松山長寿寺 (八江萩名所図画巻4より)
(1) 北古萩にあり西山派の浄刹にして、京都禅林粟生光明寺の両末派なり。開山一空上人夜欣和尚をしめ、山口長寿寺に住し、輝元公御打入の節召出され、慶長19年この地に一宇を建立、隠居処とせしめられるなり。
(2) 長寿寺末寺として浜崎町にあった松巌寺に不動明王は安置されていたが、いつの頃か松巌寺が廃寺となり長寿寺に合併するに及び、不動明王も現存の長寿寺不動堂に安置せらるるに至ったと伝えられている。
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