能面
のうめん
山口市
県
有形文化財
室町時代
江戸時代に毛利藩が編集した「風土注進案」の秋穂正八幡宮の項に、この能面の図がありそれには12面載っている。その後2面失われた。仮面の裏に記されている銘によると、文明年中(1469~1486)のものが4面、延徳四年(1492)のもの1面、年号は無いが室町時代の製作と見られるもの5面で、うち5面に秋穂庄大夫重成との作者銘もある。材はケヤキ材などで、寸法は縦20cm前後、幅14cm前後である。現在の彩色は江戸時代の後補である。中世在銘の仮面がこのように伝存していることは貴重で、中世の神事芸能を知るよい資料でもある。
現在、山口県立山口博物館に寄託されている。
山口市秋穂の正八幡宮所有の面で、山口県立山口博物館に寄託されています。
現在10面残っています。江戸時代には12面あったことがわかっていますが、そののち2面が失われたようです。
面の裏に書かれている文字(銘文)によると、室町時代の1469年から1486年までにつくられたものが4面、1492年につくられたものが1面あります。ほかの5面も室町時代につくられたとおもわれます。
材はケヤキその他で、寸法はたて20cm前後、はば14cm前後です。
現在の彩色は、江戸時代になってから補色されたものです。
中世の銘文(めいぶん)のある面がこのように残っていることは貴重で、中世の神事芸能を知るよい資料でもあります。
能面
彫刻
昭和41年6月10日(山口県教育委員会告示 第5号)
山口県立山口博物館寄託
宗教法人 正八幡宮
文明10~18年頃(室町時代)
一〇面
【製作者】 秋穂大夫重成
構造は彫刻、品質は木材。
/形状/色彩/寸法(cm) 縦 横/重量(g)/裏面記載事項/特記すべき事項
能面1号/鼻高の面/赤色/22.0 15.5/550/文字記載あるも判読し得ず/鼻の長さ9cm 目玉は金色
能面2号/老人の面/桃色/20.0 14.5/280/秋穂大夫歳38時重成細工仕 文明14年3月吉日 以上十一面の内……/特に耳あり
能面3号/怒り面/薄桃色/21.8 13.3/200/秋穂庄大夫重成 文明十四年六日 三十八歳細工仕 以上十一面の内……/-
能面4号/泣き面/肉色/21.3 14.3/130/秋穂庄大夫重成 文明十年 以上十一面の内/-
能面5号/老人の面/黒色/20.5 13.5/130/裏面黒色にして文字あるらしきも不明/-
能面6号/笑い面/黒色/17.8 14.5/280/裏面に文字の記載なし/眉毛ありし跡ありて特に顎が動くようになっている。着色せず永年経過のため黒色とみられる。材質は欅ならん。
能面7号/怒り面/朱色/20.5 13.5/190/秋穂大夫重成 生歳四十二細工仕 文明十八年丙午正月細工事。 十一面内/-
能面8号/老人の面/肉色/20.0 15.0/200/裏面に秋穂八幡宮と記載あるも、作製当時の筆蹟と認めがたし/鼻下及び顎下に白髪の跡あり
能面9号/笑い面/灰色/18.0 14.0/140/秋穂八幡宮 延徳四九月十七日(朱書)/眼形三角形、上下唇共に朱色
能面10号/泣き面/濃灰色/20.5 15.0/250/裏面に文字の記載なし/右側の耳朶を欠く耳つきの老人の面
能面は現在10面なるも、能面2号、3号、4号、7号の裏面にはいずれも「以上十一面の内」と筆記されておることよりみて、当初11面ありたるものと思われ、恐らく何時の時代にか1面のみ持出しそのままになったものと思われる。
なお、能面の社外搬出、展覧は昭和30年1月、県立博物館に展示せるのみにて、一切持出しを禁じ現在に至る。
製作者については、各能面の裏面に「秋穂大夫重成細工仕」とあり同人の38~42才頃までの作と認められるも、生立ち、経歴などについて詳かでない。
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