木造四天王立像
もくぞうしてんのうりゅうぞう
山口市
県
有形文化財
平安時代
山口市徳地月輪寺薬師堂(重要文化財)に安置されている。用材不明の一木造りで内ぐりがなされている。像高は持国天170cm前後。共に目をいからせ、大陸風なよろいを着、腹部に鬼面を彫り出している。下着の裾をたれ、すね当をつけ、沓をはき、足下に邪鬼をふんでいる。彩色は後補である。平安時代後期、12世紀の作である。等身大の堂々とした木彫りで刀法もするどく、時代の特色をよく彫り出している。手首先、天衣の一部、および持物など欠失しているが、四天そろって当初の姿を伝えていることは貴重である。
山口市徳地の月輪寺薬師堂に安置されています。
持国天(じこくてん)・増長天(ぞうちょうてん)・広目天(こうもくてん)・多聞天(たもんてん)の4体です。
すべて一木造りですが、何の木を材としたのかはわかっていません。
仏像の高さは、持国天が167cm、増長天が172cm、広目天が175cm、多聞天が176cmです。
平安時代後期、1100年代につくられたものです。
四天王がそろって当初の姿を伝えていることは貴重です。
木造四天王立像
彫刻
昭和44年4月25日(山口県教育委員会告示 第11号)
山口市徳地上村572
宗教法人 月輪寺
平安時代
四躯
持国天
木造、用材不明、一木造、内刳、彩色(後補)。本躰立像、単髪、天冠台彫出し、瞋目、閉口、唐様甲、腹部に鬼面彫出し、下着広袖袂先を絞って籠手をつく。左手は屈臂上に挙げ5指にて物を握る形をなす。右手は伸下5指にて物を握る状をなす。下着の裾をたれ脛当をつけ沓をはく。腰をやや左に捻り夜叉の上に立つ。夜叉桧材一木造。
台座、桧材一枚板の方座、素地。
増長天
木造、用材不明、本躰夜叉一木共通、内刳、彩色(後補)。本躰立像、唐様甲、兜をかむり、焔髪、瞋目閉口。下着広袖袂先を絞り籠手をつく。左手は伸下、腰部にて5指を握り物をとる状をなす。右手は屈臂上に挙げ、5指にて物を握る形をなす。下着の裾を垂れ脛当をつけ沓をはく。腰を少し左に捻り夜叉の上に立つ。
台座、桧材一枚板の方座、素地。
広目天
木造、用材不明、一木造、内刳、彩色(後補)。本躰立像、単髪、天冠台彫出し、瞋目閉口、唐様甲、腹部に鬼面を彫出し、下着広袖袂先を絞り籠手をつく。左手屈臂(手首より先欠失する)。右手は右前伸下、5指を握り物をとる状をなす。下着の裾をたれ脛当をつけ沓をはく。腰を少しく左に捻りて夜叉2頭の上に立つ。夜叉桧材一木造。
台座、桧材一枚板の方座、素地。
多聞天
木造、用材不明、本躰夜叉一木共通、内刳、彩色(後補)。本躰立像単髪、天冠台彫出し、瞋目閉口、唐様甲、腹部に鬼面を彫出し、下着広袖袂先を絞り籠手を着く。左手は屈臂(手首先欠失す)。右手伸下、5指にて物を握る形をなす。下着の裾をたれ脛当を着け沓をはく。腰をやや左に捻り夜叉2頭の上に立つ。夜叉は両足を折って伏す。
台座、桧材、2枚矧ぎ、方座、素地。
持国天 増長天 広目天 多聞天
像高 167.3㎝ 171.5㎝ 174.8㎝ 175.7㎝
頂上~顎 37.6 36.4 36.4 39.4
髪際~顎 19.7 19.1 19.7 19.4
面幅 18.2 18.5 19.1 18.8
面奥 23.0 24.8 23.0 24.8
耳張 23.3 24.5 24.2
兜下張 29.7
両臂部袖張 74.2 83.3 67.3 81.8
腹部奥 31.8 31.8 35.5
沓先張 38.8 37.0 37.3 45.5
夜叉高 20.3 17.6 13.9 20.6
方座長 78.8 77.3 77.9 78.8
方座奥 54.5 59.1 58.8 60.6
方座高 7.3 7.6 7.3 7.3
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