木造地蔵菩薩坐像
もくぞうじぞうぼさつざぞう
宇部市
県
有形文化財
南北朝時代
宇部市東隆寺の本尊である。ヒノキ材の寄木造りで、像高は78.6cm。等身大の普通の地蔵菩薩像で、がっしりとした肉づけや、太くうねりの強い衣紋をかさねた表現などは見るべきものがあり、南北朝時代の特色をよくあらわしている。像は胡粉彩色におおわれていたが、近年の修理で彩色は除去された。光背や台座も当初のものである。特に光背の出来はすぐれている。東隆寺は1339年(暦応2)に厚東武実が創立した寺であるが、本像は創建時からの本尊として当寺に伝わったものと考えてよい。
宇部市にある東隆寺(とうりゅうじ)の本尊です。
ヒノキを材とした寄木造りで、仏像の高さは79cmです。
南北朝時代につくられました。
仏像は、近世に修理した彩色におおわれていて、作られた頃の彩色がわからないのは残念です。本体の修理した所はすくなく、光背(こうはい)や台座も同時代のものです。
東隆寺は1339年に厚東武実(ことうたけざね)が創立した寺ですが、本像は創立された時からの本尊として当寺に伝わったものと考えてよいかとおもわれます。
木造地蔵菩薩坐像
彫刻
昭和48年3月30日(山口県教育委員会告示 第1号)
宇部市厚東区棚井
宗教法人 東隆寺
南北朝時代
一躯
〔本体〕
円頂。白毫。三道。衲衣の上に袈裟をかける。左手臂のところから前方にほぼ水平に屈げ、掌を上にして2・3・4指をわずかにまげ、宝珠を捧げ、右手臂のところから斜め上方に屈げ、錫杖を執る。右足を外にして趺坐する。胸前に胸飾り、両手首に腕輪をつける。
桧材、錆下地、彩色(後補)。玉眼嵌入、胸飾り及び両腕輪は銅製。木寄せは頭体を通じて両側を前後二材矧。両膝部横一材矧。両袖上面各別材矧、両手首矧。左手第2・3・4・5指先、右手第3・4・5指先欠損。持物すべて近世の補作。
〔光背〕
二重円相、頭光の中心に蓮実及び八葉付、光脚付。桧材、錆下地、漆箔、身光は竪二材、その上方前面に頭光矧付。光脚は表裏薄板各1枚を矧付。頭光身光共周縁の圏帯部に銅板を嵌め、金銅飾金具を打付。周縁部総て亡失。
〔台座〕
蓮花、上敷茄子及び小反花部まで残存。以下亡失。蓮弁(各々三弁宝珠形をつける)十二方六段、魚鱗葺。桧材、錆下地、彩色。蓮弁は各々総布貼錆下地彩色。各部損傷甚しい。
〔本躰〕
像高 78.6㎝
髪際~顎 18.4㎝
頂上~顎 26.0㎝
面幅 18.0㎝
面奥 23.2㎝
臂張 55.3㎝
躰奥 27.7㎝
膝高 14.2㎝
膝張 66.2㎝
膝奥 53.1㎝
〔光背〕
総高 97.0㎝
頭光径 44.0㎝
身光の張り 69.9㎝
光脚の張り 72.5㎝
光脚の中央高さ 16.6㎝
〔台座〕
総高 46.5㎝
蓮肉径 97.6㎝
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