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文化財の概要

文化財名称

紺糸威肩紅腹巻

文化財名称（よみがな）

こんいとおどしかたくれないはらまき

市町

岩国市

指定

県

区分

有形文化財

時代

室町時代

一般向け説明

　胴の高さ28.2㎝、胴廻り100.2㎝、草摺（くさずり＝胴の下に下がっていて、足の太股を守る部分）の高さ30.0㎝の鎧腹巻。小札（こざね）は、黒漆を盛り上げて塗った本小札で、紅・紺の色糸を使って、毛を返したように威し（小札を横長に綴ったものを上下につなぐこと）ている。韋所（かわどころ）や金具廻りには、藍染め革や藻・牡丹・獅子を描い兜・大袖・壷袖・頬当・喉輪・臑当付た革、杉・菖蒲を描いた革などが使われ、浅黄・萌黄・黄・白・紅の色糸で小さな針目を出す伏せ縫いが施されている。腹巻はもともと装束の下に着けるものであったが、この腹巻には黒漆を盛り上げて塗った本小札を紅糸で威した高さ34.2㎝、幅34.3㎝（上）～35.4㎝（下）の大袖が付いている。室町時代中期の特色豊かな優れたものである。

小学生向け説明

　室町時代の優れた腹巻で、戦いのときに身を守るために着る「鎧腹巻」といわれるものです。
　腹巻は、もともと衣装などの下に着けるものですが、この腹巻は紅・紺の色糸や藍染め革などをつかって作られ、肩などを守る大袖がついています。

文化財要録

要録名称

紺糸威肩紅腹巻
　付　大袖

指定区分・種類

工芸品

指定年月日

昭和42年7月4日(山口県教育委員会告示　第12号)
　

所在地

岩国市横山2丁目10番27号（岩国歴史美術館）

所有者

財団法人　岩国歴史美術館

制作等の年代又は時代

室町時代中期

員数

一領

品質及び形状

〔小札〕　黒漆盛上本小札
〔威毛〕　紅、紺糸威
立挙＝前後一段紅、同二段紅
衡胴＝一段紅、二段紺、三段紺、四段紺
草摺＝一段紺、二段紺、三段紺、四段紺、裾板
〔耳糸〕　啄木打4色(萌葱、紅、黄、白)
〔畦目〕　朽木打4色(花緘共、紫、紺、萌葱、黄)
〔菱縫〕　紅糸
〔立挙〕　前二段、後二段
〔衡胴〕　四段、一段155枚、二段147枚、三段137枚、四段125枚
〔草摺〕　七間五段
〔金具廻〕　胸板＝鍍金覆輪藍染韋、藻牡丹獅子画韋、小縁藍染韋、杉菖蒲韋、伏縫5色(紫、紅、浅葱、萌葱、白)、小桜鋲9個
脇板＝同上、小桜鋲7個宛
押付板＝鍍金覆輪藍染韋、藻牡丹獅子画韋、小縁藍染韋、杉菖蒲韋、伏縫5色(浅葱、萌葱、黄、赤、白)、押付板綿噛連接穴各4穴、丸鋲、小刻座付各2個宛
〔韋所〕　綿噛＝栗色韋包、藍染韋、藻牡丹獅子画韋綴、小縁藍染韋、杉菖蒲韋、伏縫5色(浅葱、萌葱、黄、紅、白)、袖付緒各3箇所宛
〔八双金物〕　鍍金出八双魚子唐草彫、丸縁取魚子酢漿紋2個宛3箇所(胸板、脇板左右)、押付板2個宛2箇所
〔緒所〕　高紐＝丸打3色(紅、白、萌葱)、綿噛各3孔、胸板各3穴宛、外取り
繰締＝胴先緒＝丸打(紅)、胴尻小札より出る
〔茱萸〕　鍍金魚子唐草彫直管6箇所
〔鞐〕　同上
〔責鞐〕　同上2箇所
　(法量)
胴高　胸板～発手　28．2㎝、押付～発手　29．7㎝
草摺高　発手～裾板　30．0㎝
草摺幅　上　14．6㎝、下　23．0㎝
胴廻　脇板　100．2㎝、胴尻　71．5㎝　
　付　大袖
〔小札〕　黒漆盛上本小札
〔形式〕　紺糸肩紅威大袖
〔威毛〕　一段紅糸、二段紅糸、三段紅糸、四段紺糸、五段紺糸、六段紺糸、菱縫板
〔耳糸〕　啄木打4色(萌葱、紅、黄)
〔畦目〕　同上
〔菱縫〕　紅糸
〔金具廻〕　冠板＝棚造、鍍金覆輪藍染韋、藻牡丹画韋、小縁杉菖蒲韋、伏縫5色(浅葱、白、紅、黄、萌葱)、小桜鋲各9個宛
〔境粧板〕　藍染韋の杉菖蒲韋包
〔八双金物〕　鍍金入八双唐草、奈良菊2個宛各2箇所、鍍金出八双魚子唐草彫奈良菊2個宛各中央に1箇所
〔水引〕　上紅、下白
〔裏韋〕　裏包、栗色韋無地
〔笄金物〕　鍍金枝菊透彫、奈良菊10個高彫の内1個を座として奈良菊頭台に水呑環付(四之板付く)
〔袖付環〕　受緒環縦、執加緒環横、懸緒環縦
　(法量)
総高　34．2㎝、幅　上　34．3㎝　下　35．4㎝
冠板高　前　4．8㎝　後　2．8㎝、冠板幅　35．2㎝

地図

画像