鉄黒漆三十四間総覆輪筋兜鉢
てつくろうるしさんじゅうしけんそうふくりんすじかぶとばち
岩国市
県
有形文化財
室町時代
鉢の高さ13.3㎝、径は前後が22.2㎝、左右が20.7㎝で、38枚の台形の鉄板に黒漆を塗り、はぎ合わせの部分を金属で覆って筋状にした兜鉢。頭頂部の八幡座は、金メッキの魚子地(ななこじ=粟粒を並べたように細かい粒を突起させたもの)に枝菊を細い線で彫った円座に裏菊の透かし彫りなどをした5重になっている。篠垂(しのだれ)という細い筋金は、金メッキの菊座に小刻座を重ねた上に、正面中央に3条、後方中央に2条据えられ、腰には神社等に見られるような斎垣がめぐらされている。眉庇(まびさし)などはなくなっているが、室町時代中期から後期にかけての頃に作られたものと思われる。
黒漆をぬった鉄板のはぎ合わせ部分を、金属でおおって筋状にした兜鉢です。
この兜鉢からは、眉庇(まびさし=日よけの小さなひさし)などが失われています。
室町時代中ごろから終わりごろに作られたものとおもわれます。
鉄黒漆三十四間総覆輪筋兜鉢
工芸品
昭和42年7月4日(山口県教育委員会告示 第12号)
岩国市横山2丁目10番27号(岩国歴史美術館)
財団法人 岩国歴史美術館
室町時代中期から後期
一頭
〔材質〕 鉄黒漆塗
〔間数〕 三十四間鍍金総覆輪筋兜鉢
〔張数〕 38枚張
〔合目〕 前正面、後腰巻(左)同(右)
〔篠垂〕 鍍金菊座に小刻座を重ね其の上に鍍金篠垂、正中三條、後中二條
〔八幡座〕 鍍金魚子地枝菊毛彫円座に裏菊透彫、浪座、小刻、玉縁
〔響穴〕 鍍金鳩目4個
〔四天鋲〕 4点
〔高勝環〕 座無し鍍金格子目頭環台に環付く
〔眉庇〕 欠失
〔銘〕 鉢裏真向無銘、後中無銘
〔受張〕 欠失
〔〕 欠失
兜鉢高 12.4㎝ (天辺穴~腰巻下縁 13.3㎝)
兜鉢径 前後 22.2㎝ 左右 20.7㎝
頂辺穴径 前後 1.8㎝ 左右 1.8㎝
腰巻幅 広 2.3㎝ 狭 1.4㎝
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