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文化財の概要

文化財名称

生見の鉄燈籠

文化財名称(よみがな)

いきみのてつとうろう

市町

岩国市

指定


区分

有形文化財

時代

室町時代

一般向け説明

 全体の高さ 253.2㎝で、バランスのよくとれた鋳鉄製の六角形をした燈籠。宝珠・笠・火袋・中台・竿・基礎の6つの部分から出来ているが、中台上の外縁に擬宝珠勾欄(端が反り曲がった手摺)を設け、6本ある擬宝珠の親柱の内側に、それぞれ地蔵菩薩の立像を安置しているところが大変珍しい。1741年(寛保1)に書かれた「中村玄貞由来」によると、玖珂郡山代庄生見の土豪中村安堅が、室町時代末期の1546年(天文15)、先祖の冥福を祈るために安芸国(現在の広島県)廿日市の鋳物師綱家に鋳造させ建立したことがわかる。この銘文は竿の中節の上段に浮き出たように書かれていたが、現在はほとんどが腐食して僅かに痕跡だけが見られる。

小学生向け説明

 全体の高さ 253㎝、鉄で造られた六角形の燈籠で、あかりを灯す照明用具です。
 玖珂郡山代庄生見で強い勢力を持っていた中村安堅が、室町時代終わりごろの1546年に、安芸国(今の広島県)廿日市の鋳物師(溶かした金属を型に流し込んで物を造る人)である綱家に造らせ、先祖の冥福(死後の幸福)を祈るために建てました。

文化財要録

要録名称

生見の鉄燈籠

指定区分・種類

工芸品

指定年月日

昭和51年3月16日(山口県教育委員会告示 第2号)

所在地

岩国市美和町生見2094

所有者

制作等の年代又は時代

室町時代末期(天文15年、1546年)

員数

一基

製作者

廿日市住 大工綱家

品質及び形状

鋳鉄製・六角形 (単位=㎝)
総高 243.2
〔宝珠〕  径 15.8
      高 12.7
      けら首(径) 9.0
      同 (高) 12.1
      同 (厚) 0.3
〔請花〕 径(最大上) 24.5
      同(胴) 18.7
      同(底) 12.0
           高 11.3
      厚 0.4
〔宝珠さしこみ筒〕 径 7.9
                        高 4.8
            深 1.5
            厚 0.9
〔伏鉢〕 径 19.7
           高 4.9
〔露盤〕 径 23.8
      高 3.7
      六角形の一辺幅 13.9
〔笠〕 径 115.3
    高 19.5
        六角形の一辺幅 57.7
    降棟尖端の出 2.7
    同(三角形底辺) 2.2
    同(高) 1.5
    風鐸を釣ったと思われる三角形の突起底辺 3.0
    同(高) 2.0
    同(穴径) 0.8
〔火袋〕 径(下) 54.5
      高 54.3
      六角形の一辺幅(内) 24.0
      上区幅 9.5
           中区幅 33.5
      下区幅 11.3
      火口縦 30.5
           同(横) 19.0
〔中台〕 径 76.0
      縁高欄径(擬宝珠間) 81.0
           同一辺(擬宝珠間) 40.5
      親柱総高 12.5
      同(径) 2.4
           高欄高 7.5
      請花径(上) 51.0
           同(下) 24.5
      同高 11.0
      竿のはめ込み部径 24.8
      同高 4.0
〔竿〕 径(上) 24.9
    同(下) 24.4
    同(中節) 34.3
    高 99.2
〔基礎〕 反花径(上) 24.4
      同(下) 46.7
           同(高) 9.8
           上框径(上) 58.0
      同(下) 63.0
      同(高) 10.7
      下框径(上) 88.2
           同(下) 89.0
           同(高) 14.8

参考情報

 「地下上申生見村中村玄貞由来」に次のとおり記載されている。
鉄之燈籠
 本尊 地蔵菩薩 高さ九尺 但本尊并六地蔵燈籠戸平盗賊盗候故只今者無之候
 銘文
于茲防州玖珂郡山代之庄生見之住中村土佐守源安堅為先祖菩提建立
 喜圓道泉居士 松心妙永大姉
 時 天文十五丙午八月吉日 廿日市之住 大工綱家
重要文化財に指定されている鉄燈籠は、京都府豊国神社のもので、総高272.5㎝、「奉寄進鉄燈籠慶長五庚子年八月十八日天下一釜大工与二郎實久鋳之」の鋳出銘がある。(昭和48年6月6日指定)

地図

画像

生見の鉄燈籠 関連画像001

生見の鉄燈籠 関連画像002

生見の鉄燈籠 関連画像003

生見の鉄燈籠 関連画像004