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文化財の概要

文化財名称

旧滝部小学校本館

文化財名称(よみがな)

きゅうたきべしょうがっこうほんかん

市町

下関市

指定


区分

有形文化財

時代

大正

一般向け説明

 下関市豊北町滝部に所在する近代学校建築。本館は木造2階建の寄棟造りで、両翼に平屋建の校舎が取り付く。屋根は桟瓦葺き。建築面積は1,120.39㎡。外装は目地すかし横板張り、窓は本館は欄間付き上げ下げガラス戸建、校舎は引違いガラス戸建、木部は内外ともペンキ塗仕上げである。本校舎の配置は本館を中央に置き、左右翼舎を軸線に対し45度方向において、前庭をなかば包む形としている。この配置は西欧において見られることがあり、わが国では珍しく、設計者がドイツ技師と伝えることをうなずかせるものである。
 この建物は、地元出身の中山太一とその2人の弟が私財約7万円の巨費を投じて建設し、大正13年(1924)に当時の滝部村に寄付したものである。建物各部は折衷様式ながら、西洋建築の細部をよく理解して用いており、このような近代洋風建築物が一地方を拠点とし、しかも社寺建築の大工集団として知られた「阿川大工」によって施工されたということなど、本県の建築史を考察していく上においても、たいへん貴重な建築物である。
 西教室棟は、大正4年(1915)に建築されたものだが、平成19年度から実施された本館等の修理工事の中で、大正13年本館建築と同年に改修されたことが証明されたため、本館と一体的な建築物として平成23年(2011)追加指定された。

小学生向け説明

 下関市豊北町にあります。本館は木造2階建で、その両側に平屋建の校舎が付いています。1924年にできました。
 この建物は、地元出身の中山太一とその2人の弟が、自分たちの財産を使って建設し、村に寄付したものです。
 設計者はドイツ人の技師であると伝えられています。建てたのは、「阿川大工」という大工集団です。彼らは、江戸時代を通じて、おもに神社や寺を建築してきました。洋風の建築物が農村部に建てられたということと、寺社建築を得意とした「阿川大工」によってつくられたということが貴重です。

文化財要録

要録名称

旧滝部小学校本館  1棟

指定区分・種類

建造物

指定年月日

昭和54年3月31日
平成23年4月8日(追加指定)

所在地

下関市豊北町滝部3135番地の1

所有者

下関市

制作等の年代又は時代

大正13年(1924) 本館

(平成23年追加指定)
大正4年(1915) 西教室棟
[改修の年代  大正13年(1924)]

員数

一棟

製作者

阿川大工 橋本銀之助

構造及び形式

本館 木造2階建(中央部塔屋を亡失)、寄練造り、正面中央突出部は切妻造り、両側面突出部は寄練造り。
両翼校舎 平屋建
桟瓦葺
建築面積 1,120.396㎡
 外装は目地すかし横板張り。窓は、本館は欄間付き上げ下げガラス戸建、校舎は引違いガラス戸建。
 本館正面突出部の出入口には三連アーチが並び、2階ベランダの方形開口部は胴張つき角柱で3間とする。その上の斗型と中心飾に楕円窓を配したペディメントが、この建築の主部である。
 1階は玄関から続いてホールがあり、左方に職員室、背面沿いに廊下が通り、両側面の突出部は児童出入口及び階段があり、廊下は磬折して教室のある校舎に通ずる。
 2階は1室(5間×13間)の講堂で西面に奉安殿を設け、南面にはベランダルームがある。
 床は土間部がコンクリート・モルタル塗、ベランダ床がモルタル四半目地だてとし床上部は小幅板張り、内壁は漆喰壁で腰板張り、天井も各間とも総漆喰塗り。
 なお、木部は内外ともペンキ塗仕上げとしている。

(平成23年追加指定)
西教室棟:桁行(けたゆき)7.252m、梁間(はりま)9.273mの木造
平屋建、切妻造、桟瓦葺。本館西端倉庫部に接続

地図

画像

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