星宿図(寺伝須弥山図)
せいしゅくず(じでんしゅみせんず)
下松市
県
有形文化財
鎌倉時代
下松市生野屋の多聞院に所蔵されている。
木造、桧材で総高は48.1cm。5段の組立造りで、最下段は方形、上4段は円筒形で、上段になる程細まる。最下段の方形台中心に穴をうがち、納を差しこんで組立てる。従って上4段は自由に回転できる。各段側面と最下段底面に白土下地して、極彩色で図像を描いている。下段から吉祥天、四大龍王、二十八宿諸神(神像形)を三十六禽(鳥獣形)、十二宮などが描かれている。描かれている図像のすべてを解明するにいたっていないが、この中に星宿図に不可欠な十二宮、二十八宿などが大胆に描かれていることから星宿に関するものであることは明らかである。図像表現の特徴から見ても、その制作は鎌倉時代を降らぬ遺品である。
下松市の多聞院にあります。
木造で高さは48cmです。5段の組立造りで、最下段は方形、上の4段は円筒形で、自由に回転できるようになっています。
下段から、吉祥天(きっしょうてん)、四大龍王、二十八宿諸神、三十六禽(鳥獣形)、十二宮などが描かれています。描かれている図像のすべてを解明するまでにはにいたっていませんが、星宿に関するものであることは明らかです。
つくられたのは鎌倉時代とおもわれます。
星宿図(寺伝須弥山図)
絵画
昭和52年3月29日(山口県教育委員会告示 第1号)
下松市生野屋宮本656番地
宗教法人 多聞院
鎌倉時代
一基
【構造・形状】
木造、檜材、5段組立造り(最下段は方形、上四段は円筒形で上段になるほど細まる)、最下段の方形台の中心に穴を穿ち/img>に差し込んで組立てる。従って上四段は自由に回転できる。最上段を除いて円筒形3段の右段の中央部から若干下った位置に等間隔にそれぞれ3個の円錐形小突起をつける。もっとも現在は9個のうち4個を欠失させている。
各段の側面および最下段の底面に白土下地して、それぞれ次のような図像が極彩色で描かれる。
最下段方形台の底面は縁(幅3.0cm)を残して中程を斜めに宝形に凹め、底に吉祥天、四方の斜面に四大竜王を描く。表の四方の側面は各面とも上下二段に分け、上段は黒がかった藍色を背景とし、二十八宿諸神(神象形)を白抜きの小円内に描き、下段は白を背景に三十六禽(鳥獣形)を描く。なお、上面の中央に/img>穴を穿ち、その四方に東西南北と四方位を墨書する。その上の二段の円筒形は側面を黒がかった藍色の背景とし、周囲にそれぞれ十二体の形像を描く。下段は十二天、上段は十二宮の諸像を表わすものと思われる。その上の一段は、同じく側面を黒がかった藍色の背景とし、周囲に人身鳥頭有翼像三体と他に有翼像一体の計四体を描く(その尊名は明らかにしがたい)。最上段はやや長円筒形で、側面および頂上が黒がかった藍色を背景とし、側面に上下に各一体の形像を描いている。上は兜跋毘沙門天と覚しく、下は有翼の像であるが、その特徴から見て帝釈天と考えるべきであろう。
【寸法】
総高48.1cm
上部径 下部径 高さ
上から1段目 7.6cm 8.3cm 15.3cm
〃 2段目 8.3 10.1 7.6
〃 3段目 10.1 13.1 7.3
〃 4段目 13.1 16.2 7.3
最下段 奥行23.0cm 幅22.5cm 高さ10.5cm
寺院では、本物件を「須弥山図」といっているが、もと松尾八幡宮の宝物で、江戸時代には寅年に開帳していた。明治3年、神仏分離に際して社坊の多聞院に移された。
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