西圓寺本堂・山門 付 棟札一枚
さいえんじほんどう・さんもん つけたり むなふだいちまい
長門市
県
有形文化財
江戸時代
西圓寺は長門市仙崎にある浄土宗の寺である。本堂は桁行23.99m、梁間15.86m、屋根は入母屋造りで本瓦葺き、正面に向拝は付かず、入口は正面でなく、本堂の左右両端にとり、それぞれ善男入口、善女入口とし、男女の入口を別々とする特異な形式をもっている。柱は面取りの角柱、軒は二軒で、垂木には繰型がある。本堂の主な材質は欅である。本堂には棟札があり、1825年(文政8)の再建で、須佐大工村岡安右衛秀親による上棟であることがわかる。
山門は三間二重門で、正面に向拝一間が付く、下層には前後に唐破風が付き、上層は入母屋造り本瓦葺である。この山門は江戸時代に萩の大照院にあったものであるが、明治に入り大照院の寺禄が廃止されたことにともない、伽藍が次々に解体された。この山門も明治前期に大照院から西圓寺に移ったものである。大照院での建築年代は判明しないが、18世紀末頃と考えられる。
西圓寺は長門市にある浄土宗の寺です。
本堂の入口は正面でなく、本堂の左右両端にとり、それぞれ善男入口、善女入口となっています。男女の入口を別々とするめずらしい形式です。本堂はおもにケヤキがつかわれており、1825年に建てられました。
この山門はもともと萩市の大照院敷地内にあったものでが、明治時代に入り敷地内の建物が次々に解体されたときに、大照院から西圓寺に移されました。この山門は、18世紀末頃と建てられたとおもわれます。
西圓寺本堂・山門 2棟
付 棟札 1枚
建造物
昭和57年4月16日(山口県教育委員会告示 第1号)
平成18年3月31日追加指定
長門市仙崎字六浦2118番地の1
宗教法人 西圓寺
(本堂)文政8乙酉(1825)年6月27日 (山門)18世紀末
西圓寺本堂・山門 2棟
付 棟札 1枚
(1)構造・形式・規模など
(本堂)
桁行 23.99m 梁間 15.86m
浄土宗寺院ではあるが、方丈形で向拝はない。入口は正面中央でなく、本堂左右両端にとり、それぞれ善男入口、善女入口とする特異な形式をもつ。入母屋造瓦葺。
(山門)
三間二重門 正面向拝一間付。
下層は前後唐破風付、上層は入母屋造本瓦葺。
(付 棟札一枚)
高さ132.6cm、幅最大23cm
(2)概要
(本堂)
ア 基壇 葛石一段。
イ 礎石 布切石。
ウ 軸部 面取角柱、腰長押、内法長押、飛貫。
エ 来迎柱 出組、つり仏壇(天蓋)
オ 軒 二軒、角繁垂木、隅木一本。
地垂木、飛檐垂木とも繰型あり。
カ 妻飾 扠首、扠首束は大瓶束のように丸い。かぶら懸魚。虹梁は大斗枠と中備である蟇股で支える。
キ 材質 欅
(山門)
ア 基壇 切石雨葛一段
イ 礎石 切岩切石、地覆石あり、礎盤をおく。
ウ 軸部 下層は円柱12本上下粽付、中央間解放、左右及び側面腰板壁格狭間彫刻あり。内法貫、頭貫、頭貫先に象鼻あり、台輪をめぐらす。
上層は円柱10本、上粽付、頭貫、頭貫先に象鼻あり。台輪。
エ 組物 下層は拾斗(巻斗)付枠肘木、出三斗実肘木付。
上層は平三斗実肘木。
オ 中備 下層は中央のみ蟇股、側面は中柱上に蟇股をおくも中備なし。上層は中央間のみ蟇股をおく。
カ 天井 下層は中央間は唐破風の茨垂木を化粧屋根裏形として通す。左右は化粧屋根裏天井。
キ 軒 下層は疎垂木角一軒。垂木鼻に繰形あり。中央間向唐破風、桁高を虹梁型とする。大瓶束(角几帳面付)
上層は疎垂木角一軒、垂木鼻繰形あり。
ク 妻飾 虹梁、大瓶束。
ケ 縁 四方に切目縁をめぐらす。倒蓮花。匂欄。
コ その他 下層は内法貫に筬欄間、出入口上部に花頭形付きとする。
上層は中央にかんぬき扉、左右に花頭窓あり。
サ 材質 欅
(付 棟札一枚)
材質は松で、上から同材、同規模の板で覆われている。
(本堂棟札の墨書)
本慶山天龍院西圓寺再建
文政八乙酉六月廿七日上棟
伏願
寺門清寧 道場具足
常転法輪 仏化無窮
当寺第十一世徳連社元誉法道欽白
都料匠 須佐邑 村岡安右ヱ門秀周
総監宰 大日比浦十一代目
上利伝右征門常守
同 伝丘征蓮住
同 武右ヱ門勝年
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