木造千手観音菩薩立像
もくぞうせんじゅかんのんぼさつりゅうぞう
山陽小野田市
県
有形文化財
平安時代
山陽小野田市岩崎寺の観音堂に安置される。クス材の一木造りで、像高183.6cm。用材は立木の時に霊木として信仰されていたものを使用したと考えられる。頭上に化仏(けぶつ)10面をつける。上半身は裸体で、天衣は両肩からたれて、ひざ前で二重にめぐる。裳をつけ、両足をそろえて直立する。合掌手はひじをまげ、腹前で手をあわせる。宝珠手はひじをまげ、腹前で手の平を上にしてかさね、第一指の先をあわせる。脇手は四十二臂型で、左右に14本の脇手を扇状につけている。頭上面の多くと、宝鉢手および全脇手は後補である。制作時期は、ひざ前の衣紋のありさま、側面の姿勢の良さなどから平安時代中期、11世紀初頭頃の作と見られる。
山陽小野田市にある岩崎寺境内の観音堂に安置されています。
クスを用材とした一木造りで、仏像の高さは184cmです。
用材は、立木の時に霊木として信仰されていたものを使用したと考えられます。頭上に化仏10面をつけ、左右に14本の脇手を扇状につけています。
つくられたのは平安時代中ごろとおもわれ、素朴な地方作です。
木造千手観音菩薩立像
彫刻
昭和58年4月5日(山口県教育委員会告示 第1号)
山陽小野田市大字有帆2289番地の1
宗教法人 岩崎寺
藤原時代
一躯
【形状】
頭上面は地髪上に正面に一面(仏面、本来は頂上宝髪上にあったものと思われる)、右に4面、左に2面(いずれも菩薩面)を1列に並べている。外に離落したもの2面がある。天冠台下前方の地髪はまばら彫り、その他は平彫り。鬢髪は両耳をわたり、垂髪は両肩に達する。白毫相をあらわす。彫眼・耳朶は鐶としない。三道を刻む。上半身は裸体、条帛は左肩から右脇下を通り背面を廻って左肩に至る。天衣は両肩から垂れて膝前で2重にめぐる。合掌手は臂をまげ、胸前で合掌し、臂釧、腕釧をつける。宝鉢手は臂をまげ、腹前で掌を上にし、左手を上にして重ね第1指の指先を合わせる。腕釧をつける。42臂型で左右14本の脇手を扇状につける。各々腕釧をつける。持物はない。裳(2段折返し)をつけ、両足を揃え、像底の中央部に丸穴をうがち、これに台座からつき出した円柱状の心棒を挿入して直立する。 樟材の1木造り。頭、躰部を通じて主幹部を竪1材から彫出。頭上面は竹で取り付ける。仏面はヒノキ材、頭上面は樟材。白毫木製嵌入。合掌手はヒノキ材、肩、臂、手首で矧ぎ、合掌部は1材に彫出する。宝鉢手は樟材の1材から彫出、臂部で合掌手の臂部に矧付ける。脇手は左右共に、背面の肩下から合掌手の後にかけてはぎつけた台木に取りつける。台木は左右共ヒノキの2材はぎ、天衣は右側は肩から膝前下段を通り立ち上りまで共木彫出。その先を欠失。左側は肩から膝前上段を通り、股の付近まで共木彫出。その先合掌手にかかる所まで別木はりつけ、その先を欠失。両足先欠失。背面腰下(地付部から上へ58.2㎝の所)に縦32.0㎝、横16.5㎝、深さ7.0㎝の穴をうがつ、干割れを防ぐ背刳りと思われる。蓋板は欠失している。右脇腰下(地付部から上へ59.2㎝の所)に■の躰部と同様のあて材。左脇腰下(地付部から上へ60.5㎝の所)に■の躰部と同材のあて木がある。
彩色はほとんど落剥している。宝髪、眉、眼の輪郭、瞳、口髭、顎髭、臂釧、天衣、条帛、裳(前面のみ)墨彩。肉身部には肉色彩があったと見られるが下地の白土がわずかに残るのみである。
頭上面八面のうち五面、宝鉢手および全脇手は後補である。地付部に虫害がある。
像高…183.6
髪際下高…168.7
頂上~顎…32.7
髪際~顎…17.4
面幅…16.0
耳張り…20.8
面奥…22.0
合掌手臂張…56.8
脇手横張り(最大)…93.0
仝縦幅(最大)…64.0
躰奥…23.4
裾張り…36.2
足首開き…21.9
仏面の頂上~顎…9.5
菩薩面の頂上~顎…7.5
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