木造阿弥陀如来坐像
もくぞうあみだにょらいざぞう
山陽小野田市
県
有形文化財
平安時代
山陽小野田市岩崎寺の観音堂に安置される。ヒノキ材の寄木造り、像高は143cm。納衣は左肩をおおい、右肩にすこしかかる。右手はまげて前に出し、手の平をひろげ、第1指と第2指をつけr。左手はひざの上におき、手の平を上にして同じく第1指、第2指をつける。いわゆる上品下生(じょうぼんげしょう)の手印である。彩色はほとんど落ちているが、所どころにわずかに残る痕跡から、頭髪部は群青、肉身部は金箔押しがなされていたと思われる。円い面相、浅い衣紋などから平安時代末期、12世紀頃の制作と推定される。
山陽小野田市の岩崎寺薬師堂に安置されています。
ヒノキを材とした寄木造りで、仏像の高さは143cmです。
彩色はほとんど落ちていますが、ところどころにわずかに残る跡から、頭髪は群青、体は金箔がなされていたとおもわれます。
平安時代後期12世紀頃の制作と推定されます。
木造阿弥陀如来坐像
彫刻
昭和58年4月5日(山口県教育委員会告示 第1号)
山陽小野田市大字有帆2289番地の1
宗教法人 岩崎寺
藤原時代
一躯
【形状】
肉髻、螺髪は小粒の切子型で後頭部まで丁寧に彫出する。肉髻珠はない。白毫相をあらわす。彫眼。耳朶は環、三道を刻む。衲衣は左肩を蔽い、右肩に少し懸る。
左手は躰に沿って自然に下げ、掌を上にしてひろげ、第1指と第2指を捻じ左膝上に置く。右手は屈臂、ややななめ前方につき出し、掌を前にして立て、第1指と第2指を捻じいわゆる上品下生印を結ぶ。
右足を外にして結跏趺坐する。 ヒノキ材。寄木造り。白毫は木製かん入(後補)。頭躰部を共木の前後竪2材で造り、丸のみで頭部を割り矧ぎにしている。三道下をめぐって丸のみの跡が菊花弁様に残っている。
すなわち頭部は耳の直後で前後に割り、内刳りを施して寄せ、頸廻りで躰部に差込んでいる。
躰部は肩の後ろで前後に割り寄せ、地付部まで大きく内刳りしている。
両腕は共に肩部で躰部に矧ぎつける。右腕はさらに臂、手首でそれぞれ矧ぎつける。左腕は竪1材で肩から臂、腰までを彫出。手首にかかる袖部を別材で矧ぎ手首から先を差込む。
膝前は横1材から彫出し、縁を残して刳り、躰部寄せる。
両膝奥腰部に三角材を矧ぎつける。
彩色はほとんど落剥しているのが、所々にわずかに残る痕跡から肉髻部は白土下地に群青彩色、肉身部は白土下地に黒漆、金箔押しが施されていたものと思われる。
また右腕腋下、左手首にかかる衣の下などに緑青彩色のあとが見えるので衲衣、裳にも彩色が施されていたものと思われる。
保存は比較的良好であるが、次の各所に欠損があり、それぞれ補修が施されている。
正面左下腹部
正面左足下
正面不手臂下
背面左脇下
同右腰上
これらの多くは内刳りの際の割り損じによるものと見られ、従って当初からの欠損、補修と思われる。もっとも補修材には後補のものもある。裳先欠失。
単位㎝
像高…143.0
髪際下高…123.5
頂上~顎…50.2
髪際~顎…28.0
面幅…31.2
耳張り…38.3
面奥…38.9
臂張…91.5
躰奥…46.7
膝張…118.0
膝高…21.8
膝奥…79.0
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