宮ケ久保遺跡出土木製品
みやがくぼいせきしゅつどもくせいひん
山口市
県
有形文化財
弥生時代
阿東町の宮ヶ久保遺跡は、徳佐盆地の沖田川沿いでみつかった弥生時代中期中頃~後期(紀元前1~3世紀)の集落遺跡である。この集落を囲む二重の大溝から多量の木製品が出土した。
出土した木製品には、農耕具(すき、くわ、掘り棒、きぬた、うす)、工具(おの、ちょうな、杭を打ち込むかけや)、生活用品(紡錘車、機織り具、はしご、樹皮の袋、弓)、食器(わん、はち、しゃくし、さじ、おけ、高坏)、武器型(剣、戈、戟、やじり)、祭器(かえる、いのしし、鳥)があり、そのほか、土器類(つぼ、かめ、はち、高坏)、鉄製品(鉄おの、やりがんな、小刀)、石器類(おの、ほうちょう、かま、やじり、と石、紡錘車、石剣)がある。
木製品の種類と量の豊かさは、弥生文化における木器比重の高さを示している。全国的にもまれな弥生中期の特徴を示す資料で、当時の社会生活全体を調べる貴重な基礎資料である。
この遺跡は、阿武郡徳佐の水田の下から見つかりました。
時代は今から2000年~1800年前の弥生時代のものです。
この住居をかこむ二重の大溝から多量の木製品が見つかりました。
出土品には次のようなものがあります。
木製品:農 業 :すき、くわ、掘りぼう、きぬた、うす
工 具 :おの、ちょうな、くいを打ちこむかけや
生 活 :糸つむぎ、はた織り、はしご、樹皮の袋、弓
食 器 :わん、はち、しゃくし、さじ、おけ、
武器型 :剣、やり、やじり
ノ リ :かえる、いのしし、鳥
土器類:つぼ、かめ、はち、
鉄製品:鉄おの、やりがんな、小刀
石器類:おの、ほうちょう、かま、やじり、と石、糸つむぎ、石剣
農業・生活・狩り・祭などの木の道具が、こんなにそろっているのは全国でも、めずらしいそうです。
宮ケ久保遺跡出土木製品
考古資料
昭和58年9月27日(山口県教育委員会告示 第4号)
山口市春日町3番22号(山口県埋蔵文化財センター)
山口県
八四点
【品質・形状及び寸法】
〔農具〕
鍬 2点
1)身長(19.9)㎝ 身幅18.2㎝ 2)身長(18.3)㎝身長(10.4㎝)
鋤 16点
1)全長(40.1)㎝ 身幅16.2㎝ 2)全長(30.1)㎝身幅18.0㎝
3)全長67.0㎝ 身幅8.4㎝ 4)全長(47.4)㎝身幅7.5㎝
5)全長(45.9)㎝ 身幅8.9㎝ 6)全長46.8㎝ 身幅8.9㎝
7)全長(45.7)㎝ 身幅5.7㎝ 8)全長41.7㎝ 身幅6.7㎝
9)全長(36.5)㎝ 身幅7.1㎝ 10)全長(30.7)㎝ 身幅9.9㎝
11)全長76.9㎝ 身幅3.1㎝ 12)叉鋤 全長(62.6)㎝
13)叉鋤 全長(60.7)㎝ 14)叉鋤 全長(44.0)㎝
15)叉鋤 全長(44.5)㎝ 16)鋤柄 全長(60.5)㎝V字形握部あり。
槌 4点
1)全長(26.2)㎝ 径6×4㎝ 2)全長(21.7)㎝ 径5.5×4.4㎝
3)全長(18.0)㎝ 径3.5㎝ 4)全長(14.7)㎝ 径4.8㎝
掛け矢 1点
1)全長66.3㎝ 径11.3㎝
臼 1点
1)器高13.1㎝ 口径21.9×23.9㎝
〔工具〕
斧柄 2点
1)全長60.0㎝ 2)全長(43.6)㎝
手斧柄 4点
1)全長44.7㎝ 2)全長41.4㎝
3)組合せ式柄頭部 柄頭部長19.5㎝ 幅4.6㎝
4)袋状鉄斧柄頭部 柄頭部長13.9㎝ 幅4.1㎝
〔狩猟具〕
弓 3点
1)全長(49.5)㎝ 径1.9×2.2㎝ 2)全長(46.7)㎝ 径1.8×1.5㎝
3)全長(11.3)㎝ 径1.8×1.6㎝
〔容器〕
鉢 3点
1)器高11.9㎝ 口径16.0×14.0㎝ 口縁両側に把手
2)器高5.9㎝ 口径20.4㎝ 口縁片側に把手
3)脚付鉢 器高9.5×7.9㎝
皿 1点
1)脚付皿 器高22.1㎝ 脚に透し孔あり。
角型用器 1点
1)器高8.7㎝ 横幅26.1㎝ 縦19.1㎝
槽 3点
1)器高4.1㎝ 横33.2㎝ 縦13.8㎝
2)器高7.0㎝ 横幅47.4㎝ 縦幅20.3㎝
3)器高10.2㎝ 横幅(115.0)㎝ 縦幅(35.2)㎝
高杯 2点
1)脚部 器高(8.0)㎝ 底径(15.1)㎝
2)脚部 器高(9.4)㎝ 底径(17.5)㎝
桶底板 9点
1)径16.4㎝ 厚さ2.0㎝ 2)径14.5㎝ 厚さ1.7㎝
3)径20.2㎝ 厚さ1.7㎝ 4)径(20.7)㎝ 厚さ1.6㎝
5)径17.8㎝ 厚さ1.5㎝ 6)径14.5㎝ 厚さ1.1㎝
7)径12.4㎝ 厚さ1.8㎝ 8)径14.1㎝ 厚さ2.1㎝
9)径12.2㎝ 厚さ1.5㎝
杓子 6点
1)全長35.8㎝ 身口径(17.3)×(15.0)㎝ 深さ10.3㎝
2)全長33.6㎝ 身口径16.0×12.8㎝ 深さ6.4㎝
3)全長(30.7)㎝ 身口径(12.1)×(9.3)㎝ 深さ(2.7)㎝
4)全長30.4㎝ 身口径16.0×8.1㎝ 深さ1.3㎝
5)全長26.3㎝ 身口径(14.2)×8.9㎝ 深さ1.7㎝
6)全長(27.1)㎝ 身口径(13.4)×(10.5)㎝ 深さ4.3㎝
〔紡織具〕
紡錘車 3点
1)径6.5㎝ 厚さ1.1㎝ 孔径0.7㎝
2)径6.5㎝ 厚さ0.8㎝ 孔径0.6㎝
3)径(5.5)×(5.0)㎝ 厚さ(1.0)㎝ 孔径(0.9)㎝
綜棒 1点
1)全長(48.6)㎝ 幅4.9㎝
状木製品 1点
1)全長56.0㎝ 幅2.0㎝
刀杼 1点
1)全長(17.5)㎝ 幅2.9㎝
〔祭祀具〕
猪形木製品 1点
1)高さ2.8㎝ 長さ7.9㎝ 幅2.3㎝
鳥形木製品 1点
1)高さ5.9㎝ 長さ6.1㎝ 幅4.0㎝
蛙形木製品 1点
1)高さ4.3㎝ 長さ6.3㎝ 幅2.7㎝
剣形木製品 3点
1)全長(42.9)㎝ 身幅2.9㎝ 2)全長44.3㎝ 身幅3.9㎝
3)柄部長さ9.9㎝ 幅2.9㎝
槍形木製品 1点
1)全長(35.7)㎝ 身幅2.3㎝
鏃形木製品 1点
1)全長(7.0)㎝ 身幅3.2㎝
戈形木製品 2点
1)全長21.9㎝ 身幅5.0㎝ 2)全長18.7㎝ 身幅(3.7)㎝
手戟形木製品 1点
1)全長28.6㎝ 身幅3.3㎝
鐸形木製品 1点
1)蓋:高さ6.0㎝ 幅(7.4)㎝ 厚さ(5.4)㎝
身:高さ18.7㎝ 幅14.7㎝ 厚さ5.5㎝
〔その他〕
梯子 1点
1)全長(78.6)㎝ 幅14.6㎝ 段削り出し。
腰掛 1点
1)天板 長さ47.4㎝ 幅20.5㎝
建材 6点
1)全長20.0㎝ 幅3.5㎝ 厚さ2.9㎝
2)全長30.2㎝ 幅4.5㎝ 厚さ3.1㎝
3)全長27.9㎝ 幅4.1㎝ 厚さ3.0㎝
4)全長31.7㎝ 幅3.6㎝ 厚さ3.1㎝
5)全長52.7㎝ 幅4.9㎝ 厚さ3.7㎝
6)全長34.2㎝ 幅4.2㎝ 厚さ3.9㎝
宮ケ久保遺跡出土品
(1)鍬 2点
(2)鋤 16点
(3)槌 4点
(4)掛け矢 1点
(5)臼 1点
(6)斧柄 2点
(7)手斧柄 4点
(8)弓 3点
(9)鉢 3点
(10)皿 1点
(11)角型の容器 1点
(12)槽 3点
(13)高杯 2点
(14)桶底板 9点
(15)杓子 6点
(16)紡錘車 3点
(17)綜棒 1点
(18)状木製品 1点
(19)刀杼 1点
(20)猪形木製品 1点
(21)鳥形木製品 1点
(22)蛙形木製品 1点
(23)剣形木製品 1点
(24)槍形木製品 1点
(25)鏃形木製品 1点
(26)戈形木製品 1点
(27)手戟形木製品 1点
(28)鐸形木製品 1組
(29)梯子 1点
(30)腰掛 1点
(31)建材 6点
(出土状況)
県営圃場整備事業に先立って昭和51年度に実施された宮ケ久保遺跡の発掘調査によって、集落を囲郭する大溝の中から多量に出土した。
(その他参考となる事項)
出土木製品は、遺存状態が極めて良好で、質・量共に豊かな内容を備え全国的にも有数の弥生時代中期を代表する一括資料である。
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