毛利輝元関係資料
もうりてるもとかんけいしりょう
防府市
県
有形文化財
江戸時代
毛利隆元の嫡男毛利輝元の遺品。輝元は、天下統一を進めていた織田信長や豊臣秀吉に対抗するが、後に和睦を結び、豊臣政権下では五大老のひとりに任じられた。
「唐冠二枚胴具足」(黒漆塗りの唐冠形の兜が付いている)や「陣羽織」は、秀吉から拝領したと言われるもので、豊臣家との深い因縁を表すとともに、南蛮文化の影響がうかがわれる桃山文化の一端を示すものとして貴重な資料である。日常所用具も大変珍しいもので、特に、眼鏡(老眼橋)はこの時代の遺品としては他に類例がない。さらに、硯石(赤間硯)は、「赤間関住大森土佐守頼澄」の銘があり、赤間硯の標本資料とも言えるものである。
毛利隆元の長男で、毛利元就の孫にあたる毛利輝元(もうりてるもと)が残した品物です。「唐冠二枚胴具足(とうかんにまいどうぐそく)」や「陣羽織(じんばおり)」は、秀吉から贈られたと言われているものです。日常所用具も大変珍しいもので、特に眼鏡(老眼鏡)は、この時代の残っているものとしては例のないものです。また、硯石は、「赤間硯(あかますずり)」の標本資料ともいえるものです。
輝元は、中国地方を治め豊臣秀吉の下で五大老の一人となっていましたが、関ヶ原の戦いに敗れ、領地を周防国・長門国(今の山口県)に減らされました。
毛利輝元関係資料
唐冠二枚胴具足 小具足付
付 具足櫃
陣羽織
法被
日常所用具
印判
鏡
眼鏡
印籠
硯箱
歴史資料
昭和59年4月10日(山口県教育委員会告示 第1号)
防府市多々良1丁目15-1
財団法人 防府毛利報公会
(唐冠二枚胴具足 小具足付) 一領
(具足櫃) 二合
(陣羽織) 一領
(法被) 一領
(印判) 四顆
(鏡) 一面
(眼鏡) 一掛
(印籠) 一合
(硯箱) 一合
【形状・品質・法量等】
(1)唐冠二枚胴具足 小具足付
胴は鉄二枚胴で牡丹唐草文韋包、草摺6間、裾板素懸威、熊毛が付く。兜は黒漆唐冠形、脇立纓形、4段板札、頬当、牡丹唐草文韋包、垂3段付。籠手は篠金肩4段、1の腕1段、上膊7本篠金、下膊6本篠金、手甲は金箔地菊沢瀉文打出し。佩楯はカルタ札5段、黒塗山道文下地菊沢瀉金銀蒔絵。臑当7本篠。
▲胴高35.8㎝ 草摺高33㎝
(兜)高31.5㎝ 鉢径(前後)25㎝
(付)・具足櫃
笈型、黒塗菊桐紋蒔絵、要所に菊桐紋彫り金具を打つ。担い縄(黒韋包み)付き
▲高86.8㎝ 前上幅43.6㎝ 前下幅52.5㎝ 奥行(下)50.0㎝
(2)陣羽織(豊臣秀吉より拝領)
上部の裏地は浅葱地輪違い菊文様緞子、ただし元の表地は黄地牡丹唐草文様天鵞絨で背に黒天鵞絨の大きな桐紋が切付けであらわされる。裾は緞子。南蛮風の曲線裁ちの形成で袖なし、肩縁に縮緬裂を重ねた襞飾り。
▲身大114.3㎝
(3)法被
赤地牡丹唐草丸に飛雲文錦、裏地は欠失、文様は染繍。
▲身大97㎝ 裄98㎝
(4)日常所用具 1合(三重黒塗箱)
ア印判 各包紙 印紙付
A「忠獻 後□(従)」銅製獅子鈕方印 陽刻 緒付
▲縦2.8㎝ 横2.7㎝
B「廣益」 水牛角製丸印 陽刻
▲径3.7㎝ 高3.4㎝
C「慶」 水牛角製丸印 陽刻 緒付
▲径2.2㎝ 高2.6㎝
D「□(漢)」 水牛角製丸印 陽刻 肉池 緒付
▲長径2.1㎝ 短径1.2㎝ 高4.1㎝
イ鏡
白銅製丸鏡 裏に素鈕抱き菊丸紋三個と「天下一」を陽寿であらわす。
▲径9.5㎝ 厚0.25㎝
ウ眼鏡
老眼鏡、縁は鼈甲製。左右縁肩に耳掛の紐孔あり。
▲レンズ(縁込み)長径5.0㎝ 短径4.6㎝ 総幅10.2㎝
エ印籠
黒漆塗千鳥蒔絵、五重、二重目に破損箇所がある。緒はほとんど欠失。
▲長径5.0㎝ 短径2.5㎝ 高7.4㎝
オ硯箱
木製、紙貼り漆塗り(一閑塗)長方形、覆蓋造り、四隅撫角。下水板の底を刳ぬき、水滴及び硯石を嵌め込む。所々虫損が見られる。
▲縦25.3㎝ 横19.8㎝ 高3.6㎝
A硯石(赤間硯)鍬形
底裏刻銘「天下一 赤間関住大森土佐守 (方印・頼澄)」
▲縦15.6㎝ 横8.1㎝ 厚1.5㎝
B銀水滴
長方形、左水滴、右蝶番蓋付
▲縦3.1㎝ 横7.9㎝ 厚2.3㎝
C筆 2本
うち1本は蓋付き
▲長19.0㎝ 18.6㎝
D錐子
▲長12.5㎝
〒753-8501 山口県山口市滝町1-1
Tel:083-933-4666 Fax:083-933-4829
E-mail:
Copyright(C) 2010 山口県観光スポーツ文化部文化振興課