まりつき歌
まりつきうた
下関市
下関市
子供の遊びと童歌
下関市董井島
明治36年(1903年) / 男
向こう通りやるお医者じゃないか
医者じゃあるけど薬箱(くすりばこ)持たぬ
薬や何かと尋ねてみたら
山じゃ権現(ごんげん)河原のよもぎ
それを煎(せん)じて飲ませてみたら
腹のぼうやがどんどと下(くだ)る
下るその子が男の子なら
すぼに包んで三所(みところ)締めて
締めたしるしにいろはと書いて
宿のおちょうさんにもおまるさんにも
お渡しもうす 確かに確かに
向こう通るはせん太郎さんじゃないか
鉄砲かついで小脇差ョさして
千里奥山雉(きじ)撃ち行きゃる
雉は撃たぬとあねさんねろて
ねろたあねさん三人でござる
一人あねさんタイコ屋でござる
一人あねさんは鼓屋でござる
一人あねさんきたのでござる
きたの一番だてしゃでござる
京で帯ョ買(こ)うておだかで絎(く)けて
絎けに折り目に七房つけて
それを結んで花見に出たら
寺のおしょさんに抱きとめられて
許し話しゃれ帯てが切れる
帯の切れたはつがれもしょうが
縁の切れたは哀れなものよ
梅にうぐいす吉原すずめ
羽交(はがい)そろえてぱっとおたつ
またぱっとおたつ
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