鈴木主水(口説・盆踊歌)
すずきもんど(くどき・ぼんおどりうた)
周南市
鹿野町
舞踊歌
鹿野町
太鼓
明治39年(1906年) / 男
何からやろうか 思案でござる (アラヨーイヤサ)
前の先生がくどいた後で
(アラエーエンエーエンサー)
何をやっても皆繰り返し
花のお江戸の そのかたわらに
さしもめずらし心中ばなし
ところ四谷の新宿町に
音に聞えし 橋本屋とて
紺ののれんに 桔梗(ききょう)の紋よ
あまた女郎の数あるなかで
お職女郎の白糸こそは
年は十九で当世育ち
愛嬌(きょう)よければ 皆人様が
我も我もと 名指してあがる
わけてお客はどなたと聞けば
春は花咲く 青山辺で
鈴木主水(もんど)という侍よ
鈴木主水という侍は
女房もちにて 子供が二人
二人子供のあるその中に
今日も今日もと 女郎買いばかり
見るに見かねて 女房のお安
ある日 わが夫主水に向かい
これさ わが夫(つま) 主水様よ
聞いて下され わが言うことを
わしが女房で やくのじゃないが
やめて下され 女郎買いばかり
十九廿(はたち)の身じゃあるまいし
やめて下され 女郎買いばかり
子供二人は 伊達(だて)にはもたぬ
子供二人と私の身をば
末はどうなる 御主人様よ
言えば主水は 腹立ち顔で
何のこしゃくな女房の意見
己が心でやまないものが
女房位の意見じゃやまぬ
ぐちなそちより 女郎衆が可愛い
それが嫌なら 生みの子つれて
そちの里へと 出て行かしゃんせ
愛想つかした主水が言葉言うて
主水は 女郎買い姿
後でお安は やれ口惜しや
後でお安が なげいていれば
五つになる子が そばにとよりて
これさ母様 なぜ泣かしゃんす
(以下略)
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