一般向け 説明 | 下松市末武の閼伽井坊境内にある。多宝塔とは、下重は方形、上重は円形平面になっていて、頂上に相輪をもつ二重塔をいう。下重と上重の接するところに亀腹という漆喰塗りの丸く曲がった部分があり、多宝塔としての特徴を示している。 この塔は下重の一辺は3.95m、相輪頂上までの高さは13.5m、こけら葺きの建物で全体的に細い木組で形状を美しく整えている。なかでも上重円形のところの木組は複雑で美しく、日本建築ではほとんど見ることのできない、多宝塔に特徴的な円形の構造が一種独特の美しさを見せる。 当初、この塔の創建年次は不明であったが、1928年(昭和3)に解体修理をしたとき建立年代を考える資料となる永禄二年(1560)の墨書のある木片が発見され、その建築年代は16世紀中頃、室町時代末期とされている。 |