一般向け 説明 | 角島灯台は、明治8年(1875)、日本海側に最初に設置された洋式灯台で、下関市角島の西端に位置する。築造にあたり、日本政府に採用されたスコットランド生まれの英国人土木技師リチャード・ヘンリー・ブラントンが、英国のスティヴンソン社の仕様書に基づいて指導監督した。着工は明治6年8月13日、竣工は明治8年12月30日である。 灯台は、石造、建築面積67.25㎡、総高29.6mで、建設当時は国内で最高の高さを誇った。石造の灯塔に金属製の灯籠を載せ、半円形の付属舎が取り付く。灯塔の内部は105段の螺旋階段である。灯籠は、内部にレンズ及び灯器を納め、初点灯当初からの第一等八面フレネル式レンズが現役で使われている。灯籠の上層は鉄製菱型格子窓枠を取り付け、西方の海側にはガラス、東方の陸側には鉄板を嵌める。 旧官舎は、建築面積161.46㎡、煉瓦造平屋建て、灯明番教授方の住居として建てられた。外壁仕上げは煉瓦壁に石灰モルタルを塗っているが、灯台の外観意匠に合わせて、切石積み風に目地が切られている。竣工後は、日本人灯台守の生活様式に合わせ、間取り等の改変が行われたが、躯体や外壁は当初のまま残る。 旧倉庫は、建築面積19.68㎡、煉瓦造平屋建て、旧官舎の南側に隣接して建てられた。外壁仕上げは旧官舎と同様に、灯台の外観意匠に合わせたものである 明治前期における石造灯台建設技術を結集して築造され、近代海上交通史上の価値が高い。現在では、灯塔内部及び旧官舎の一般参観を行っている。 |