一般向け 説明 | 常徳寺は阿東町西部の蔵目喜(ぞうめき)にあり、天正年間(1573~1591)の創建と伝えられるが、詳しいことはわからない。庭園は、境内の東側にあり、室町時代後期ごろに築かれた池や水を観賞する庭園である。庭につくった小川、滝に似せた石組み、池の中島などがよい状態で残っている。裏山の自然の巨岩を庭に取り込み、その下の部分を巧みに加工して力強い渓谷状の滝の石組に仕上げている点は注目され、全国的にも珍しい構造である。池の広さは東西約22m、南北約13mで、そのほぼ中央部に中島が築かれている。中島は、外形のよい石材を多用しており、その前側の水面に接する部分に板石を横にすえるている技法は、室町時代の様式を示していると思われる。 県内では、発掘調査によって庭園の規模・構造・築いた時期等が確認されたのは初めてであり、数少ない中世庭園の一つとしての資料的価値も極めて高い。 |