名称関連 | 文化財名称 | 旧下関英国領事館 |
要録名称 | 旧下関英国領事館 | |
指定関連 | 指定区分・種類 | 重要文化財(建造物) |
指定年月日 | 平成11年5月13日 | |
所在地関連 | 所在地 | 山口県下関市唐戸町四番一一号 |
所有者関連 | 所有者 | 下関市 |
明治39年(1906)
※棟札に「上棟 明治参拾九年八月九日」の墨書銘あり。
① 本館(主屋) 1棟
ア 構造形式
*煉瓦造総二階建、屋根寄棟造桟瓦葺(小屋根銅板葺)。
*南面して建ち、北面・東面・西面に段上切妻壁及び煙突を設ける。
*外壁煉瓦イギリス積。
*一・二階ともに軒及び腰に帯状石飾りを廻す。
*内部の床板張り、壁一部腰羽目板張りの他、壁・天井ともに漆喰塗り。
イ 規模
*桁行 正面両端煉瓦壁外面間 14.333m
*梁間 側面両端煉瓦壁外面間 11.900m
*軒高 煉瓦壁上端より軒蛇腹上端まで 約7.875m
*棟高 煉瓦壁基礎上端より棟木上端まで 11.244m
*平面積 煉瓦壁外面内側面積 一階 153.068㎡
二階 155.176㎡
延面積 308.244㎡
*建面積 煉瓦壁外面内側面積
(一階テラス・二階ベランダを含む) 170.634㎡
② 附属屋 1棟
ア 構造形式
*煉瓦造平屋建、西側寄棟造、東側切妻造、東側より南側に突き出た付室は片流れ寄棟造、屋根桟瓦葺。
*外壁は西側・北側・東側及び付室を煉瓦イギリス積、西北隅部は四分円形とし、東側・西側は煉瓦外周壁と一体とする。南側は木造真壁造漆喰塗仕上げ。
*間仕切壁は煉瓦壁漆喰塗仕上げ。
*東側切妻面中央に煙突を建ち上げる。
イ 規模
*桁行 正面両端煉瓦壁外面間 16.800m
*梁間 正面両端煉瓦壁外面間(付室を含む)9.835m
*建面積 84.478㎡
③ 塀(煉瓦造) 4条
*南面 15.29m
*東面 14.58m
*西南面 3.43m
*西北面 3.43m
④ 門扉 一基
*鉄製 高さ172.0㎝ 幅143.0㎝
(1) 下関に英国領事館が開設され現位置に移るまでの経緯は『下関市史 市政施行以後』(下関市、一九五八年)による。
本館、附属室は、昭和六二年六月三日に下関市指定文化財(建造物)となった。また、昭和六二年から平成元年にかけて本館、附属屋の改修工事が行われ、現在の形で公開活用されるようになった。
(2) 煉瓦塀は、附指定。煉瓦塀はもとは、敷地の西側境にも巡らされていたが、昭和六十年に領事館の敷地を含む唐戸地区一体の整備が行われ、その際に撤去された。この時には、南側の煉瓦塀の東方も手前に引き込む変更が加えられた(もとは直線状の塀)。なお、この位置の塀には、西側の煉瓦塀が移設され用いられている。
(3) 幣串は附指定。「明治参拾九年八月九日」の記がある。
(4) 泉田英雄「東アジアの初期イギリス公館建築の営繕らついて その2」(『建築史学』第一六号、一九九一年三月)にその詳細が紹介されている。かつて当建物の設計者はハンセルといわれていたが、泉田の研究によって、コ-ワンの設計であることが明らかになった。コ-ワンの作品としては他に、旧長崎英国領事館(重要文化財)が現存している。
(5) 英国公文書館が所蔵する史料に平面図が残されており、それに部屋名等が書き込まれていて、当初の各建物・各室の利用状況が判明する。また、開設時の職員は、領事=E.A.Griffiths、補佐=Hugh Horne、海事監督官=Robert Murray、書記官=Y.Musashiであったことが『The Japan Directory 1908年版』によって知られる。
(6) この改修によって、切妻造部分の内部にあった間仕切用の煉瓦壁の大半を撤去、切妻造部分の西側と片流れ部分の中央部に通路が新設(既存の煉瓦壁を撤去)された。このため、指定部分から附属屋の内装を除く。
(7) 住宅系の建物を領事館として利用したものには、旧居留地等により古い事例が存在する。また、この地に第2次世界大戦以前に建てられた領事館建築としては、長崎市の旧英国領事館(明治四〇年)、函館市の旧英国領事館(大正二年)・旧ロシア領事館(明治四一年)、横浜市の旧英国領事館(昭和六年)等がある。
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