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2020/03/18 【ニュース】山口県文化財保存活用大綱を策定しました

 このたび、山口県教育委員会では、「山口県文化財保存活用大綱」を策定しました。

 山口県は、本州の西端に位置し、日本海、瀬戸内海に開かれ、豊かな自然に恵まれるとともに、朝鮮半島にも近いことから古くから国際交流の場として、また、明治維新胎動の地などとして、歴史的にも豊富な文化財があります。
 これらの文化財は、地域で醸成された伝統・文化の象徴であり、この地に暮らす県民の誇りとなっています。

 文化財が、開発や戦乱などによる人為的毀損(きそん)、そのものが持つ文化的な価値に対する理解がないことによる廃棄、自然災害による破壊・消滅等の様々な危機を乗り越え、今に伝えられてきたのは、その文化財に関わった先人たちが幾世代にもわたって、そして、現在の文化財の所有者や保存団体、地域住民が、文化財の保護にかけてきた、不断の情熱・尽力による賜物です。
 しかしながら、近年、少子・高齢化や過疎化の進行等による社会状況の変化を背景に、文化財を継承する担い手の不足等による散逸・消滅の危機が顕在化しています。伝統行事である無形民俗文化財が担い手不足により中止となった、との報道も耳にされたことがあるのではないでしょうか。
 こうしたことから、国において文化財保護法が平成30年6月に改正され、これまで所有者と行政等で守ってきた文化財に、個人や文化財愛護団体、建造物管理の専門家など多様な関係者が主体的に関わることができるようになりました。また、多様な関係者が参画し、地域社会総がかりによる文化財の保存・活用の取組を計画的に推進できるよう、都道府県での文化財保存活用大綱の策定が定められるとともに市区町村が作成する文化財保存活用地域計画や文化財の所有者等が作成する文化財保存活用計画等の認定制度が設けられました。

 県では、これまでも、豊かな伝統や文化財を次世代に確実に継承していくため、文化財の修理・整備等や、文化財の理解を促進する公開活用など多様な取組を推進・促進してまいりました。こうした文化財の保存・活用の取組を、文化財に関わる全ての者が連携・協力しながら着実に推進していくため、共通の基盤として「山口県文化財保存活用大綱」を策定しました。
 本大綱では、文化財の保存・活用を進めるための課題を整理し、「地域の伝統・文化の象徴である文化財が、まちづくりや地域活性化などに生かされながら、後世に守り伝えられ、地域の伝統・文化を醸成していく」未来像を念頭に、様々な施策を計画的に推進・促進していくこととしています。

 今後、豊かな伝統や文化財を次世代につなげていけるよう、地域一体となって文化財の保存・活用の取組を進めていく地域社会を目指して、地域と密接な関係を持つ市町に文化財保存活用地域計画の作成を促し、市町と協力して施策を展開してまいりますので、県民の皆さんや民間団体などの皆さんに主体的に参画していただきますよう、どうぞよろしくお願いします。  (M)



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